香港、新型コロナ新規市中感染確認103人…感染経路不明は30人、2日連続第5波最多更新=2/2

 人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まったとされる。

 第5波のきっかけとして、隔離施設での検疫が免除されていたキャセイパシフィック航空のクルーが検疫規則に違反して外食に出かけた「望月樓」レストランに居合わせた人たち(オミクロン変異株)、市中に戻った後に隔離検疫ホテル滞在中の交差感染が発覚した女性(オミクロン変異株)、複数店舗で販売されていたオランダから輸入のハムスター(デルタ変異株)の3つが認知されており、これらが入り混じって複雑化の様相を呈している。

 中でも、隔離検疫ホテル交差感染に端を発した伝播については、新界南西部の葵涌地区にあるマンモス団地「葵涌邨」(全16棟、約3万人居住)の住民及び訪問者等の間で感染者の出現が相次ぎ、累計感染者400人超の大規模なクラスターへと発展したが、すでに沈静化したとされ、29日朝までに団地内の3棟を対象に実施されたロックダウンが解除となった。

 香港衛生当局の発表によれば、2月2日午前0時時点集計の単日の新規感染確認は116人で、内訳は市中が103人(感染経路不明30人)、輸入性(海外からの入境者)が13人。市中における感染経路不明の数は第5波が始まって以来の最多を2日連続更新(前日から8人増)し、累計100人超に。感染経路不明の患者は香港各地で出現している。これとは別に初歩陽性者が110人超に上るとのこと。

 市中感染確認103人の内訳は、オミクロン変異株感染疑いが71人、デルタ変異株感染疑いが17人、未判別(ウイルスゲノム解析結果待ち)が15人。

 目下、香港では市中で出現した感染確認及び初歩陽性者の住居のあるマンション同棟住民や立ち寄り先に居合わせた人が次々と強制検疫(検疫センターでの隔離検疫)や強制ウイルス検査の対象となっており、域内におけるソーシャルディスタンス措置、水際措置の引き締めなどの策も講じられている。このところ感染経路不明のケースが増加の一途にあり、各所の汚水から陽性反応が検出されている状況などから、市中に複数の見えない伝播チェーンが存在するとされ、香港衛生当局は状況は極めて深刻との見方を示している。

 このほか、香港の2月1日午後8時時点のワクチン接種率は79.4%(1回目の接種完了)、71.4%(2回目の接種完了)となっている(※1月21日から新たに接種対象となった5〜11歳は含まず)。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、市中感染確認例が相次ぎ出現したなどを受けて、年初から上昇傾向が続いている。

渠務署による汚水サンプル採取作業を視察する香港特別行政区の林鄭月娥行政長官(右3)=2022年2月2日、香港・ケネディタウン(写真:news.gov.hk)

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