香港、新型コロナ新規市中感染確認342人…感染経路不明の累計320人超、約8割がオミクロン変異株=2/6

 人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まったとされる。

 第5波のきっかけとして、隔離施設での検疫が免除されていたキャセイパシフィック航空のクルーが検疫規則に違反して外食に出かけた「望月樓」レストランに居合わせた人たち(オミクロン変異株)、市中に戻った後に隔離検疫ホテル滞在中の交差感染が発覚した女性(オミクロン変異株)、複数店舗で販売されていたオランダから輸入のハムスター(デルタ変異株)の3つが認知されており、これらが入り混じって複雑化の様相を呈している。近日、市中における新規感染確認数は連日3桁に上り、感染経路不明のケースも増加の一途。

 香港衛生当局の発表によれば、2月6日午前0時時点集計の単日の新規感染確認は342人で、すべて市中事案。このうち感染経路不明は242人。新型コロナの流行開始以来で最多となった前日(343人)から2日連続で300人を上回った。感染経路不明事案数は前日(161人)からさらに増えて最多を更新。感染経路不明事案の累計は320人超に達し、うち約8割がオミクロン変異株感染という。これとは別に初歩陽性者が約300人いるとのこと。

 香港衛生署の林文健署長は6日夕方の記者会見で、過去2週間の感染確認数は1921人に上り、このうち隔離検疫ホテル交差感染発端が768人、輸入ハムスター発端が84人で、いずれのチェーンも拡大が続いているとし、市中に数百の伝播チェーンが存在すると推測されると述べた。また、目下の流行状況は非常に深刻で、新規感染確認例が過去に例をみないペースで増加する中、防疫システムにも大きな影響が及ぶとの見通しを示した。なお、感染経路不明の患者の居住地は、深水ポ、沙田、黄大仙、油尖旺、屯門、九龍城エリアに多く分布しているという。

 香港では市中で出現した感染確認及び初歩陽性者の住居のあるマンション同棟住民や立ち寄り先に居合わせた人、下水から陽性反応が検出されたエリア等が次々と強制検疫(検疫センターでの隔離検疫)や強制ウイルス検査の対象となっており、域内におけるソーシャルディスタンス措置、水際措置の引き締めなどの策も講じられている。

 このほか、香港の2月5日午後8時時点のワクチン接種率は79.9%(1回目の接種完了)、72.0%(2回目の接種完了)となっている(※1月21日から新たに接種対象となった5〜11歳は含まず)。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、市中感染確認例が相次ぎ出現したなどを受けて、年初から上昇傾向が続いている。

新界・沙田地区にある団地2棟の住民を対象とした強制検査の受付作業の様子。検査を通じて13人の初歩陽性者が見つかった=2022年2月6日(写真:news.gov.hk)

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