中国本土、新型コロナ新規市中感染確認は15省市区で233人…吉林省が最多、広東省では25日連続=3/8

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降も全国的には安定した状況を維持しているが、散発的な市中感染確認例が度々出現している状況。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が3月9日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月8日の中国本土における新規市中感染確認は233人(前日から58人増)だったとのこと。内訳は、吉林省94人(吉林市73人、長春市12人、延辺朝鮮族自治州9人)、山東省59人(青島市55人、日照市2人、シ博市1人、威海市1人)、陝西省17人(西安市10人、宝鶏市6人、漢中市1人)、天津市12人(西青区11人、津南区1人)、河北省11人(ケイ台市5人、保定市3人、石家庄市2人、滄州市1人)、江蘇省11人(連雲港市)、広東省7人(深セン市6人、東莞市1人)、北京市6人(朝陽区4人、海淀区2人)、雲南省4人(昆明市2人、徳宏タイ族チンポー族自治州2人)、山西省3人(運城市2人、晋城市1人)、内モンゴル自治区3人(フフホト市2人、アルシャー盟1人)、上海市3人(静安区1人、閔行区1人、嘉定区1人)、遼寧省1人(瀋陽市)、黒竜江省1人(ハルビン市)、浙江省1人(湖州市)。このうち山東省の9人、山西省の2人、遼寧省の1人、広東省の1人の計13人が無症状から感染確認に転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは144日連続で、3桁となるのは5日連続。市中の無症状感染例についても25日連続で出現し、山東省106人(青島市93人、威海市13人)、吉林省80人(吉林市65人、長春市10人、梅河口市2人、延辺朝鮮族自治州2人、松原市1人)、上海市62人(松江区14人、閔行区11人、宝山区11人、徐匯区9人、嘉定区7人、浦東新区3人、青浦区3人、普陀区2人、長寧区1人、静安区1人)、雲南省24人(徳宏タイ族チンポー族自治州23人、臨滄市1人)、広東省20人(東莞市)、黒竜江省14人(牡丹江市)、江蘇省4人(連雲港市)、広西チワン族自治区4人(防城港市2人、崇左市1人、百色市1人)、山西省2人(運城市)、遼寧省2人(瀋陽市1人、丹東市1人)、内モンゴル自治区1人(アルシャー盟)、安徽省1人(安慶市)、重慶市1人(渝北区)、甘粛省1人(白銀市)の計322人。

 香港・マカオと陸で接する広東省では、今年に入って以降、珠江西岸(マカオ寄り)の珠海市と中山市、2月6日以降に珠江東岸(香港寄り)の深セン市と東莞市をそれぞれ中心として断続的にオミクロン株の市中感染確認例が出現している状況で、3月8日まで25日連続。深セン市については、近日の市中感染事案の大半がオミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)と報告されており、感染者の出現範囲も広いとのこと。深セン市の北に位置する東莞市でも大朗鎮、常平鎮、虎門鎮の3エリアで別々の伝播チェーンが出現しているとされる。

  3月8日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は4208人(うち輸入性が2403人)で、重症者は8人(うち輸入性2人)。無症状の患者2749人(輸入性1252人)が医学観察下にあるとのこと。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。しかしながら、昨年11月下旬以降、各地で散発的な再流行が断続的に出現。省市区を越えて伝播したものもあれば、一部地域にとどまるものもあり、最初のきっかけとなった感染源もさまざま。

 マカオ特別行政区では3月8日まで149日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。航空会社クルーをきっかけとした市中におけるオミクロン株伝播、ペットショップの輸入ハムスターが発端とみられるデルタ株伝播、隔離検疫ホテルにおける交差感染を発端としたオミクロン株の主に3つの伝播チェーンが認知されており、これらが入り混じって複雑化の様相を呈している。2月以降は感染確認数が急増しており、第5波開始以来、3月8日までの累計は約50万人に。目下、香港ではステルスオミクロンの伝播が主となっているとされる。公立病院の隔離病床及び市中の隔離施設が深刻なキャパシティ不足に直面しており、中国中央のサポートを経て仮設施設の建設が進むほか、3月にかけて全市民を対象とした強制PCR検査が実施される予定。近日、港珠澳大橋を経由して香港から広東省珠海市とマカオへ向かった人、深センとの間を往来する貨物車の運転手が到着後に陽性が発覚するケースも相次いでいる。

中国広東省深セン市の繁華街「東門歩行街(老街)」(資料)—本紙撮影

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