中国本土、新型コロナ新規市中感染確認は21省市区で3507人…大半が吉林省、広東省深セン市ではロックダウン始まる=3/14

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降も全国的には安定した状況を維持しているが、散発的な市中感染確認例が度々出現している状況。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が3月15日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月14日の中国本土における新規市中感染確認は3507人(前日から2170人増)だったとのこと。内訳は、吉林省3076人(吉林市2601人、長春市460人、延辺朝鮮族自治州10人、四平市5人)、山東省106人(青島市48人、浜州市19人、シ博市12人、威海市10人、イ坊市7人、徳州市7人、日照市2人、煙台市1人)、陝西省53人(宝鶏市40人、西安市6人、漢中市4人、銅川市2人、咸陽市1人)、天津市51人(武清区26人、浜海新区7人、河西区4人、南開区4人、紅橋区3人、西青区3人、津南区2人、宝テイ区2人)、広東省48人(深セン市39人、東莞市9人)、福建省33人(泉州市31人、アモイ市2人)、浙江省31人(嘉興市16人、衢州市14人、金華市1人)、遼寧省24人(大連市9人、営口市2人、瀋陽市6人、阜新市1人)、江蘇省20人(常州市15人、連雲港市3人、蘇州市2人)、河北省13人(廊坊市5人、邯鄲市4人、滄州市4人)、重慶市10人(沙坪ハ区7人、渝北区1人、巴南区1人、永川区1人)、上海市9人(閔行区3人、黄浦区2人、徐匯区1人、虹口区1人、浦東新区1人、松江区1人)、黒竜江省7人(ハルビン市)、甘粛省7人(蘭州新区4人、蘭州市2人、白銀市1人)、北京市6人(東城区2人、朝陽区2人、西城区1人、海淀区1人)、広西チワン族自治区4人(鉄州市)、雲南省4人(徳宏タイ族チンポー族自治州3人、紅河ハニ族イ族自治州1人)、貴州省2人(遵義市)、安徽省1人(馬鞍山市)、河南省1人(永城市)、湖南省1人(長沙市)。このうち山東省の43人、吉林省の19人、天津市の8人、甘粛省の2人、江蘇省の1人の計73人が無症状から感染確認に転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは150日連続。4桁となるのは3日連続。

 市中の無症状感染例についても31日連続で出現し、吉林省991人(吉林市979人、四平市5人、長春市3人、延辺朝鮮族自治州2人、梅河口市2人)、河北省185人(廊坊市169人、滄州市16人)、上海市130人(嘉定区24人、閔行区23人、浦東新区22人、黄浦区21人、徐匯区11人、松江区9人、静安区6人、金山区4人、虹口区3人、奉賢区3人、宝山区2人、長寧区1人、楊浦区1人)、山東省107人(威海市43人、シ博市27人、青島市16人、イ坊市12人、徳州市6人、浜州市2人、煙台市1人)、広東省68人(東莞市46人、深セン市21人、中山市1人)、福建省30人(泉州市)、江蘇省27人(連雲港市9人、蘇州市8人、常州市6人、揚州市2人、南京市1人、無錫市1人)、雲南省24人(徳宏タイ族チンポー族自治州18人、紅河ハニ族イ族自治州6人)、甘粛省20人(蘭州市12人、白銀市6人、蘭州新区2人)、広西チワン族自治区19人(崇左市11人、欽州市5人、防城港市3人)、安徽省11人(馬鞍山市9人、銅陵市1人、亳州市1人)、遼寧省9人(大連市8人、営口市1人)、黒竜江省8人(ハルビン市7人、牡丹江市1人)、浙江省7人(杭州市4人、衢州市2人、湖州市1人)、天津市4人(武清区2人、西青区1人、浜海新区1人)、重慶市2人(沙坪ハ区)、四川省2人(宜賓市)、貴州省2人(遵義市)、江西省1人(宜春市)の計1647人。

 香港・マカオと陸で接する広東省では、今年に入って以降、珠江西岸(マカオ寄り)の珠海市と中山市、2月6日以降に珠江東岸(香港寄り)の深セン市と東莞市をそれぞれ中心として断続的に市中感染確認例が出現している状況で、3月14日まで31日連続。深セン市における伝播はオミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)、東莞市ではオミクロン株が主とされている。深セン市と東莞市では、3月14日から7日間の予定でロックダウン(東莞市は一部)及び全市民対象のPCR検査(期間中複数回受検)がスタートし、路線バスと地下鉄は運休となっている。15日午前には、珠海市で福建省泉州市から戻った1人が受検したPCR検査結果が初歩陽性だったことも明らかにされた。

 3月14日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は1万1984人(うち輸入性が2612人)で、重症者は8人(うち輸入性1人)。無症状の患者8650人(輸入性1610人)が医学観察下にあるとのこと。

マカオとの陸路の玄関口のとなる広東省珠海市の拱北出入境ゲート(資料)—本紙撮影

マカオとの陸路の玄関口のとなる広東省珠海市の拱北出入境ゲート(資料)—本紙撮影

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。しかしながら、昨年11月下旬以降、各地で散発的な再流行が断続的に出現。省市区を越えて伝播したものもあれば、一部地域にとどまるものもあり、最初のきっかけとなった感染源もさまざま。近頃の全国各地での流行の要因としてオミクロン変異株の特徴(感染力が強く、無症状または軽症者が多い)が指摘されているが、中国疾病予防対策センター(CDC)の首席専家、呉尊友氏は3月14日に自身のマイクロブログ上で、目前の状況は非常に深刻といえるが、各種防疫措置を徹底することで、今後数週間のうちに目に見えて抑制されるとの見解を示した。

 マカオ特別行政区では3月14日まで155日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。2月以降は感染確認数が急増しており、第5波開始以来、3月14日までの累計は約72万人に。近日になってようやくピークを過ぎたとの見方が示されたが、依然として高止まりが続く。目下、香港ではステルスオミクロンの伝播が主となっているとされる。公立病院の隔離病床及び市中の隔離施設が深刻なキャパシティ不足に直面しており、中国中央のサポートを経て仮設施設の建設が進むほか、3月にかけて全市民を対象とした強制PCR検査を実施するとアナウンス済み。港珠澳大橋を経由して香港から広東省珠海市とマカオへ向かった人、深センとの間を往来する貨物車の運転手が到着後に陽性が発覚するケースも相次いでいる。

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