香港の新型コロナ新規感染者数613人…4日連続1千人以下、ピーク期以降の最少更新続く=4/18

 人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。

 2月から3月にかけて、オミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)による伝播が主となり、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど深刻な状況となった。3月下旬以降は、新規感染確認数が下落傾向を維持している。

 香港衛生当局が4月18日夕方の記者会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は前日から134人減(17.9%減)の613人(輸入性13人含む)とのこと。内訳は迅速抗原検査経由が297人、PCR検査経由が316人。4日連続で1千人以下となり、ピーク期以降の最少を更新した。第5波開始以来の累計感染者数は118万5807人。

 新たに医管局から報告された死亡者数は20人で、第5波開始以来の累計死亡者数は8946人、死亡率は0.75%に。

 2月以降の感染急拡大によって、医療現場のキャパシティ不足が深刻化したため、中国中央政府の支援も得て仮設の大規模隔離・治療施設の建設、医療支援チームの受け入れなどが進められたが、このところは状況が大きく改善。一時ストップしていた局地ロックダウンによる強制ウイルス検査も再開された。イースター連休明けの19日からの学校の対面授業の再開、21日からはソーシャルディスタンス措置の段階的緩和も予定されている。

 第4波までは連休明けに感染増となるケースを繰り返してきた経緯があることから、連休明けと学校再開、ソーシャルディスタンス措置の緩和が重なる次週以降の感染確認数の推移に注目される。

 香港衛生防護センター主席医師の歐家榮氏は17日夕方の会見の中で、目下のところ第5波の流行はゆっくりと落ち着きつつある状況とした上、ここ数日も毎日600〜700人台の新規感染確認例があり、第4波以前と比較した場合は依然として多く、イースターホリデーに市中の人流が増えたことも加味すれば、連休後に小規模な増に転じる可能性があるとコメント。ただし、短期的には単日の新規感染確認数は3桁を維持する見通して、2桁以下まで下落するタイミングはわからないとした。

 香港の4月17日午後8時時点のワクチン接種率は92.7%(1回目の接種完了)、86.6%(2回目の接種完了)となっている(※新たに接種対象となった3〜11歳は含まず)。3〜11歳の1回目接種率は64.3%。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化、防疫措置の一環としてワクチンパス(所定施設入場時にワクチン接種証明の提示を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。ただし、近日は再び頭打ち状態に。17日単日の接種回数(1〜3回目の接種合計)は1万8619回で、7日移動平均は2万8403回。年齢層別の接種率では、新たに接種対象となった3〜11歳のほか、70〜79歳(82.9%)と80歳以上(60.9%)が大きく平均を下回っており、接種率向上策が講じられている。当局は、4月末までに高齢者の接種率9割を達成することを目標として掲げている。

局地ロックダウンによる強制ウイルス検査の対象となった新界・粉嶺地区のマンションでは中国中央政府から寄贈された抗疫漢方薬が住民に配布された=2022年4月17日(写真:news.gov.hk)

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