マカオの人口密度2.07万人…前年から微減も香港や東京を上回る超過密状態変わらず…2021年

 マカオ政府統計調査局は4月20日、2021年環境統計を公表。同年のマカオの陸地面積は前年から0.1平方キロ増(0.3%増)の33.0平方キロ(東京の山手線の内側のおよそ半分に相当)、1平方キロあたりの人口密度は100人減(0.5%減)となる2万0700人だった。

 陸地面積の増は埋立造成によるもの。

 マカオは中国大陸と陸続きのマカオ半島、離島のタイパ島とコロアン島、タイパ島とコロアン島の間を埋め立て造成したコタイ地区で構成されるが、居住エリアはマカオ半島とタイパ島の一部に集中している。

 アジア有数の観光都市であり、新型コロナウイルス感染症の流行前にあたる2019年の訪マカオ(インバウンド)旅客数は過去最多となる3940万人超に達し、体感的な人口密度はより高く感じられたが、2020年1月下旬に厳格な水際措置が講じられたことを受けて旅客数が激減し、現在まで本格的な旅客数の回復に至っておらず、かつてのような観光名所周辺の大混雑は出現していない。

 同局が3月7日に公表した2021年第4四半期の人口統計によると、同年12月末時点におけるマカオの人口は前年の同じ時期から微増(100人増)の69万3200人。21世紀に入って以降、マカオの人口は増加傾向を維持している。参考までに、ポルトガルから中国へ返還された年にあたる1999年12月末の人口は43万8000人だった。

 マカオは極めて規模の小さい地域であるため、人口密度を他の国や地域と単純比較するのは難しいが、世界的に極めて人口密度が高い地域とされる香港や東京都のおよそ3倍で、超過密状態といえる。

住宅が密集するマカオ半島の町並み(資料)=2020年7月本紙撮影

 このほか、2021年のマカオの平均気温は23.5℃で、高めの水準に。最高気温は7月に記録した35.8℃で、前年から0.3℃高かった。最低気温は1月に記録した6.1℃で、同0.6℃低かった。同年マカオに接近した台風の数は8個。年間総雨量は493ミリ増の2206ミリ。

 ゴミ焼却場で処理された都市固形廃棄物の量は前年から3.6%増、埋立処理場に搬送された建築廃材の量は29.8%減の278.9万立方メートル。水の総使用量は0.9%増の8630.8万立方メートルで、このうち家庭用が6.8%減、事業用が9.6%増、公共機構用が2.1%増。前年と比較してインバウンド旅客数がやや上向いたこと、マカオ域内における新型コロナ流行状況の安定を受けて市民生活も正常化が進んだことを反映した結果となった

 マカオで厳格な防疫対策が維持されている理由として、極めて人口密度の高い土地柄も挙げられる。これまで市中感染例の出現はゼロではないが、迅速な対応が功を奏し、大規模な市中伝播の出現には至らず、封じ込めに成功しているといえる。

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