中国本土の新型コロナ新規市中感染者数が2日連続2万人以下に…上海市が1.9万人超で最多=4/20

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022年)に入って以降はオミクロン変異株及びその亜種(いわゆる「ステルスオミクロン」等)の流入を受け、一部地域で比較的大規模な再流行が出現している。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が4月21日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月20日の中国本土における新規市中感染確認者数は2830人(前日から77人増)だったとのこと。内訳は、上海市2634人、吉林省95人、黒竜江省42人、江西省14人、江蘇省8人、広東省8人、浙江省6人、山西省5人、四川省4人、青海省4人、湖南省3人、北京市1人、河北省1人、内モンゴル自治区1人、福建省1人、山東省1人、河南省1人、雲南省1人。このうち上海市の459人、吉林省の32人、浙江省の5人、広東省の2人、福建省の1人、山東省の1人の計500人が無症状から感染確認に転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは187日連続、4桁となるのは40日連続。上海市では2日連続で3千人を下回った。

 市中の無症状感染例は1万6552人(前日から514人減)。内訳は、上海市1万5861人、吉林省261人、江蘇省111人、河北省93人、浙江省31人、江西省31人、安徽省30人、山西省26人、河南省25人、黒竜江省23人、山東省20人、青海省9人、遼寧省6人、広西チワン族自治区6人、雲南省6人、広東省4人、四川省4人、湖北省3人、福建省1人、新疆生産建設兵団1人。

 無症状を含む新規感染者が5桁となるのは19日連続で、2日連続で2万人を下回った(1万9382人)。このうち上海市の報告数が1万8495人に上り、95.4%を占めた。

 4月20日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は3万1421人(うち輸入性が233人)で、重症者は223人(輸入性はゼロ)。無症状の患者26万1262人(輸入性745人)が医学観察下にあるとのこと。

中国・上海(資料)—本紙撮影

中国・上海(資料)—本紙撮影

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロコロナ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。目下、何らかの封鎖等の制限が講じられている地域が多く存在する。

 このところ中国本土の多くの省市区で新規感染者の出現が続いているが、特に深刻なのが上海市。同市では3月下旬から事実上のロックダウン(都市封鎖)状態が続き、市民は長期にわたって自宅待機を余儀なくされているが、依然として連日約2万人の新規感染例が出現する中、本格的なロックダウンの解除時期も見通せない状況。20日まで4日連続で複数の死亡例も報告されている。市当局は20日午前の記者会見で、市内における新規感染確認数は近日下落傾向にあり、市中における伝播が効果的に抑制されてきたとの見方を示した上、金山と崇明の2区では単日として初めて「社会面清零」(隔離対象を除く一般市中におけるゼロコロナ状況)目標を達成し、浦東、閔行、松江、青浦、普陀の5区についても直近3日間は下落傾向を維持していることを明らかにした。

 香港・マカオと陸で接する広東省では、今年に入って以降、珠江西岸(マカオ寄り)の珠海市と中山市、珠江東岸(香港寄り)の深セン市と東莞市をそれぞれ中心として断続的に市中感染確認例が出現していたが、このところ両市の感染確認数は低位を維持している。一方、4月8日以降は省都の広州市で感染者の出現が相次いだが、ほぼ白雲区にとどまっている。

 マカオ特別行政区では4月20日まで192日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。2月以降は感染確認数が急増しており、第5波開始以来、4月20日までの累計は約118.7万人(無症状含む)、死亡者数は8973人に。3月初旬にピークを過ぎたとされ、直近では20日まで6日連続1千人以下を維持。これまで香港では上海市のような全域レベルでのロックダウンは実施されておらず、特定のマンションや区域を対象とした局地ロックダウンにとどまる。

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