マカオ、2022年3月のインバウンド旅客数は約52.7万人…対前年3割超の減少

 マカオ政府統計調査局は4月22日、今年(2022年)3月の訪マカオ外客数(インバウンド旅客数)統計を公表。

 今年3月のインバウンド旅客数は前月から19.6%減、前年同月からも30.2%減となる52万6912人(延べ、以下同)にとどまった。対前月では3ヶ月連続マイナスに。

 内訳は、日帰り旅客が前年同月比5.7%増の36万9661人、宿泊を伴う旅客が61.2%減の15万7251人。宿泊を伴う旅客数の減少に伴い、平均滞在時間は前年同月から0.4日短い1.2日で、内訳は日帰り旅客が横ばいの0.1日、宿泊を伴う旅客が0.7日延びて3.6日。

 今年3月のインバウンド旅客のうち国・地域別で最多だったのは中国本土からの旅客で、前年同月から31.9%減の46万8995人、全体に占める割合は89.0%。このうち個人旅行客が9万1099人。中国本土からの旅客の原居地別では、大湾区(グレーターベイエリア)9市が31万4517人で、広東省珠海市が70.2%を占めた。香港と台湾からの旅客はそれぞれ5万2862人、4867人。

 インバウンド旅客の入境ルートは前年同月から陸路が26.4%減の50万5576人で最多。このうち關閘イミグレーション経由が83.5%を占めた。空路は1万5939人、海路は5397人。

 今年1〜3月累計のインバウンド旅客数は前年同時期から8.0%増の187万6847人。内訳は、日帰り旅客が46.0%増の119万6122人、宿泊を伴う旅客が25.9%減の68万0725人。旅客の平均滞在時間は0.4日短い1.3日で、日帰り旅客が横ばいの0.1日、宿泊を伴う旅客が0.4日延びて3.4日。

 マカオと中国本土の間では、一昨年(2020年)第4四半期までに往来制限が緩和され、直近7日以内の新型コロナPCR検査陰性証明の提示など一定の条件を満たせば隔離検疫免除で相互往来が可能となったことで、昨年5月にかけてインバウンド旅客の緩やかな回復が進んだ。ただし、中国本土では再流行が散発的に発生しており、状況に応じて「中リスク地域」指定が行われ、これに該当する地域からマカオへ入境する場合には、隔離検疫を必要とするなどの措置が講じられる。今年3月について、中国本土各地で新型コロナの再流行が出現し、マカオに近い広東省でも深セン市を中心に深刻な状況となり、移動に関する制限が講じられたり、マカオとの往来にかかる水際措置も強化されたことから、マカオのインバウンド旅客数に影響が生じたものとみられる。

 目下、中国本土を除く国・地域からのマカオ入境は厳しく制限されている状況。香港、台湾居民については、直近の滞在地、渡航歴によって分類され、入境禁止、政府指定のホテルにおける隔離検疫(費用は自己負担、期間は直前の滞在地域などにより異なる)、新型コロナウイルスPCR検査陰性証明書の提示を求めるなどの対応。外国人については原則入境禁止となっていたが、就労ビザを持つ人などを対象に一部緩和された。ただし、要件をクリアした上、当局への申請、承認手続きの必要があり、ハードルは高い。

マカオ歴史市街地区にあるモンテの砦から望む町並み(資料)=2020年4月本紙撮影

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