香港の新型コロナ新規感染者数234人…現状は下げ止まり、依然市中に大量の伝播チェーン存在=5/16

 人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が続く。

 2月から3月にかけて、オミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)による伝播が主となり、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど深刻な状況となった。3月下旬以降は緩やかな減少が続いたが、このところは単日200〜300人程度を行き来しており、下げ止まっている。

 香港衛生当局が5月16日夕方の記者会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は前日から25人減の234人(輸入性42人含む)とのこと。内訳はPCR検査経由が113人、迅速抗原検査経由が121人。3日連続減少となり、23日連続500人以下を維持した。第5波開始以来の累計感染者数は約119.6万人。新規の死亡報告数はゼロで、第5波開始以来の累計死亡者数は9148人。

 香港では、4月から段階的に水際措置を緩和したため、このところ輸入性の感染例が連日出現し、オミクロン変異株亜種(BA.4など)の感染者も相次ぎ見つかっている。

 流行状況の安定を受けて、4月中旬から学校の対面授業再開、ソーシャルディスタンス措置の第一段階緩和と第二段階の一部先行緩和が実施された。ソーシャルディスタンス措置の緩和によって、近日はクラスターの発生が相次いでいる。この日も既知のクラスター絡みの新たな感染確認例が多く報告された。

 当局は16日夕方の会見で、過去2週間の単日新規感染数は200〜300人で、毎日変動はあるものの、数週間前のような減少が持続する様子は見られず、また増加やリバウンドもないが、現在の水準は高位にあるとの認識を示し、依然として市中に大量の伝播チェーンが存在し、クラスターも発生する中、市民に対して気を緩めることなく防疫措置をしっかり講じ、市中感染リスクに対処してほしいと呼びかけた。

 5月15日午後8時時点の香港の3歳以上の人口におけるワクチン接種率は91.6%(1回目の接種完了)、85.9%(2回目の接種完了)となっている。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化、防疫措置の一環としてワクチンパス(所定施設入場時にワクチン接種証明の提示を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。ただし、このところは再び頭打ち状態に。15日単日の接種回数(1〜4回目の接種合計)は2万0821回で、7日移動平均は2万7256回。年齢層別の接種率(1回目の接種完了)では、3〜11歳(72.21%)、70〜79歳(80.24%)、80歳以上(65.7%)が大きく平均を下回っており、高齢者に対する訪問接種サービスを展開するなどの接種率向上策が講じられている。

香港の町並み(資料)—本紙撮影

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