中国本土の新型コロナ新規市中感染者数が2日連続300人以下…広東省珠海市でオミクロンBA.5の流行出現=7/13

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022年)に入って以降はオミクロン変異株及びその亜種(いわゆる「ステルスオミクロン」等)の流入を受け、上海や北京など一部地域で比較的大規模な再流行が発生した。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が7月14日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月13日の中国本土における新規市中感染確認者数は86人(前日から29人増)だったとのこと。内訳は甘粛省36人、広東省32人、上海市5人、江西省5人、海南省3人、江蘇省2人、内モンゴル自治区1人、河南省1人、重慶市1人。このうち甘粛省の11人、江蘇省の1人、河南省の1人の計13人が無症状から感染確認へ転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは271日連続で、8日連続100人以下となった。

 市中の無症状感染例は206人(前日から2人増)。内訳は甘粛省64人、上海市42人、河南省29人、広西チワン族自治区25人、山東省18人、広東省11人、江蘇省8人、江西省4人、海南省3人、福建省1人、四川省1人。

 無症状を含む新規感染者数は292人で、2日連続300人以下を維持。

 7月13日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は1119人(うち輸入性が441人)で、重症者はゼロ。無症状の患者3214人(輸入性379人)が医学観察下にあるとのこと。

 香港・マカオと隣接する広東省では、このところ省内の多くの都市で感染者の出現が相次ぐ。13日の感染例は43人に上り、珠海市、広州市、深圳市、仏山市、茂名市、東莞市、中山市に分布。このうちマカオの隣に位置する珠海市が最多の30人を占めた。珠海市当局は13日正午から会見を開き、市内で累計35人がオミクロン変異株の派生型、BA.5に感染し、同一伝播チェーン上にあることが判明したと発表。市内にある幼稚園が発端とみられる。マカオでも6月中旬からBA.5の流行が続いているが、マカオ当局は13日夕方の会見において、会見時点でマカオと珠海市の流行の間に関連性は見当たらないとの見方を示した。

 5月末に長期のロックダウンが解除となり、正常化が進んだ上海市だが、近日再び多くの市中感染が出現。13日の感染例はすべて隔離対象の中から発見に至ったケース。安徽省宿州市泗県で発生した規模の大きな再流行についても緩和傾向を維持。13日、同省の新規市中感染例はゼロだった。一方、甘粛省では近日感染例が増加しており、13日は100人に。蘭州市では防疫措置が大幅に強化され、不要不急の市外への移動も制限されている。

 このところ中国本土の状況が総じて落ち着いてきた一方で、香港ではソーシャルディスタンス措置の第二次緩和後に市中感染確認数の緩やかなリバウンドが続き、直近では3千前後(輸入性含む)となっている。マカオについては約8ヶ月にわたって市中感染確認数ゼロを維持してきたが、6月18日深夜から陽性者の出現が相次ぎ、14日午前0時までの累計は1644人に。マカオでは19日以降、全市民を対象としたPCR検査及び迅速抗原検査によるスクリーニングが高頻度で実施されており、7月17日まで継続することがアナウンス済み。11日から18日まではセミロックダウンともいえる”社会相対静止”状態に入っている。目下のマカオ市中の流行株は感染力が強いとされるオミクロン変異株派生型のBA.5.1とされている。

マカオとの陸路の玄関口のとなる広東省珠海市の拱北出入境ゲート(資料)—本紙撮影

マカオとの陸路の玄関口のとなる広東省珠海市の拱北出入境ゲート(資料)—本紙撮影

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