ゼロコロナ達成のマカオで市中感染リスク再浮上…全市民対象迅速抗原検査2日連続実施へ

 マカオでは、6月中旬から市中でオミクロンBA.5の流行が続いていたが、準ロックダウンや高頻度の全市民対象PCR検査の実施など極めて厳格な防疫措置が講じられたことが奏功し、8月1日までに一般市中におけるゼロコロナ状態を達成したばかり。

 ゼロコロナ状態の達成を受けて防疫措置は段階的に緩和されたが、今日(8月7日)いっぱいまでを最終フェーズの「安定期」としてリバウンドに対する警戒を維持し、明日(8日)から6月中旬以前の防疫措置である「常態化防疫」段階に復帰する予定となっている。

 安定期の最終日となる7日午後、マカオ政府が臨時会見を開き、(マカオと陸で接する広東省の)珠海市当局から、同市でPCR検査を通じて陽性が判明した患者1人につき、近日マカオとの間を往来していたとする通報が寄せられたことを明らかにした。

 これを受けて、患者のマカオの住居が局地ロックダウンの対象とされたほか、勤務先(タイパ島にあるスーパー「グランドマート」内のベーカリーショップ)や立ち寄り先(マカオ半島北部の關閘地区にあるモール「關閘広場」)が相次いで封鎖された。

 また、患者の勤務先周辺の広い範囲を重点エリアに設定し、エリア内の全員に対して7日中にPCR検査を受けること、またマカオに滞在する全員に対して7日(重点エリア内の人はPCR検査前)、8日に2日連続で迅速抗原検査をセルフ実施し、結果をオンライン報告することを必須とすることが発表された。

 マカオ政府は、会見時点で把握している情報ベースでは8日から常態化防疫段階へ移行する予定に変更はないが、今後の検査結果をみてリスク評価を行うとし、なんらかの動きがある場合には即時プレスリリースを発出するとした。

 珠海側でも、7日午後6時からマカオからの入境者に対してイミグレーション内の指定場所で自費での検査を受けることを求める措置が講じられたとのこと。

 マカオから珠海への陸路ルートでは、8月3日午後6時から約1ヶ月半ぶりに隔離検疫免除での通関が再開したばかりで、隔離検疫免除条件として、24時間以内のPCR検査陰性証明の提示、ウィーチャットの「健康珠海」ミニアプリを通じた申請、珠海入境後に3日以内に2回のPCR検査を受検することとされていた。

 なお、患者は8月4日以前にマカオで十数回PCR検査を受検していたが、結果はすべて陰性だったとのこと。8月4日まではマカオのマンションを拠点に出勤していたが、5日、6日の両日にかけて、マカオと珠海の間を複数回往来していたという。

マカオと中国広東省との主要な陸路の玄関口となる關閘イミグレーション(資料)―本紙撮影

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