中国本土の新型コロナ新規市中感染者数が3日連続2千人以下…オミクロンBA.5流行の海南省三亜市でも500人以下に=8/23

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022年)に入って以降はオミクロン変異株の流入を受け、上海や北京といった主要都市を含む一部地域で比較的大規模な再流行が発生した。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が8月24日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月23日の中国本土における新規市中感染確認者数は380人(前日から72人増)だったとのこと。内訳は海南省264人、チベット自治区23人、重慶市21人、広東省17人、四川省15人、陝西省15人、新疆ウイグル自治区6人、河南省3人、甘粛省3人、青海省3人、江西省2人、湖北省2人、雲南省2人、山西省1人、内モンゴル自治区1人、浙江省1人、安徽省1人。このうち海南省の161人、広東省の10人、陝西省の3人、四川省の2人、雲南省の1人、チベット自治区の1人、甘粛省の1人、新疆ウイグル自治区の1人の計180人が無症状から感染確認へ転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは312日連続で、20日連続3桁となった。

 市中の無症状感染例は1261人(前日から179人減)。内訳はチベット自治区543人、海南省336人、新疆ウイグル自治区169人、青海省40人、江西省26人、陝西省26人、四川省22人、重慶市19人、河南省16人、遼寧省11人、河北省10人、湖北省9人、黒竜江省6人、安徽省6人、広西チワン族自治区6人、広東省5人、甘粛省4人、貴州省2人、雲南省2人、山西省1人、福建省1人、湖南省1人。

 無症状を含む新規感染者数は1641人で、14日連続4桁となったが、3日連続2千人以下を維持した。

 8月23日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は8086人(うち輸入性が660人)で、重症者は43人(輸入性ゼロ)。無症状の患者2万2146人(輸入性711人)が医学観察下にあるとのこと。

 新規感染者数の省区市別では、8月1日からリゾート地として知られる三亜市を中心にオミクロンBA.5の流行が続く海南省が最多の600人。このうち三亜市が479人で、BA.5の流行が始まって以来、初めて500人以下となった。同省当局は23日午後の会見で、目下のところ新規感染確認数は減少傾向にあるが、底打ち状況にはなく、常態化防疫策の強化を要するとし、隔離対象以外の一般市中におけるゼロコロナを達成した地域から段階的に正常化を進める考えを示した。

 また、チベット自治区でも連日多くの感染者が出現しており、22日の新規感染者数は566人で、ラサ市とシガツェ市に集中していた。新疆ウイグル自治区でも3桁の感染例出現が続くで、22日の新規感染者数は175人。ウルムチ市の複数の区に分布。自治区衛生当局では、防疫策が効果を示しつつある段階で、相対的に状況は好転しているとした。

 香港・マカオに隣接する広東省では、しばらく落ち着いた状況が続いた後、8月5日以降は連日複数の感染例が出現。23日の新規感染者数は再び2桁となる22人で、深圳市、広州市、仏山市、梅州市から報告されたケース。他にも各地で再流行が散発しており、ウイルス型もさまざま。

 中国本土の状況は総じて落ち着いている一方で、香港ではソーシャルディスタンス措置の第二次緩和後に市中感染確認数の緩やかなリバウンドが続き、直近では6千人水準(輸入性含む)まで増加している。主流株がオミクロンBA.5に置き換わりつつある状況。マカオでは6月中旬から市中でオミクロンBA.5.1の流行が続き、累計1800人超に達した。ただし、全市民を対象とした高頻度のPCR検査及び迅速抗原検査によるスクリーニングと準ロックダウンともいえる厳格な防疫措置を講じて対応した結果、8月1日までにゼロコロナ状態を実現。以降は落ち着いた状態を維持している。

中国広東省深圳市の繁華街「東門歩行街(老街)」(資料)—本紙撮影

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