2021年の対マカオ直接投資流入は約6750億円…カジノ業のマイナス幅は縮小

 マカオ政府統計調査局が11月21日に発表した昨年(2021年)の直接投資統計によれば、同年の海外(中国本土、香港、台湾含む)からマカオへ流入した直接投資は382.0億パタカ(日本円換算:約6750億円)だった。

 業種別では、ゲーミング(カジノ)業が169.6億パタカ(約2997億円)、金融業が149.3億パタカ(約2638億円)、卸売・小売業が47.4億パタカ(約838億円)で、主な直接投資元は英領ヴァージン諸島の183.9億パタカ(約3250億円)、香港の119.5億パタカ(約2112億円)、中国本土の95.3億パタカ(約1684億円)。

 外来直接投資者の投資利益(税引後利益及び受取利息などを含む)は159.4億パタカ(約2817億円)で、中でも外資の金融業における収益が前年から98.3%増、卸売・小売業では285.9%増。なお、カジノ業については前年に続きマイナスで、180.5億パタカ(約3190億円)の赤字だったものの、顕著な改善となった。

 2021年末時点までの対マカオ累計直接投資総額は前年から12.4%増の3337.6億パタカ(約5兆8978億円)。投資元の国・地域別では、中国本土、香港、英領ヴァージン諸島からがそれぞれ13.5%増の667.0億パタカ(約1兆1784億円)、13.6%増の971.7億パタカ(約1兆7167億円)、38.5%増の667.0億パタカ(約1兆1784億円)に。一方、ケイマン諸島からについては11.5%減の617.0億パタカ(約1兆0901億円)。業種別では、ゲーミング(カジノ)業が14.5%増の1393.8億パタカ(約2兆4625億円)、金融業についても14.9%増の998.2億パタカ(約1兆7635億円)。

 このほか、2021年のマカオ企業による在外直接投資は257.8億パタカ(約4555億円)に上ったが、投資利益は8.8億パタカ(約155億円)にとどまった。2021年末時点までの累計は前年から36.1%増の999.4億パタカ(約1兆7657億円)で、中国本土向けが756.2億パタカ(約1兆3360億円)を占めた。

 直接投資統計は工業、建設業、ホールセール・リテール業、ホテル・飲食業、運輸・倉庫・通信業、金融業、ゲーミング(カジノ)業、不動産開発・賃貸販売業等に属するマカオ企業が対象で、個人は含まれない。

大型カジノIR(統合型リゾート)が建ち並ぶマカオ・コタイ地区の風景(資料)=2020年7月本紙撮影

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