マカオで今年初の在郷軍人病感染者確認…患者は潜伏期間中の渡航歴なし

 マカオ政府衛生局(SSM)は11月22日午後、マカオで今年(2022年)初めて在郷軍人病(退役軍人病、レジオネラ肺炎)感染者を確認したと発表。

 SSM発出資料によれば、患者は喫煙歴と高血圧の病歴を持つ71歳のマカオ居民(マカオ居民IDカード保有者)の男性とのこと。

 患者は11月13日に発熱と咳などの症状が現れたことから14日に医療機関を受診し、胸部CT検査で両肺に肺炎の症状が確認され、治療のため15日に総合病院の鏡湖醫院に転院。同院で実施した尿検査の結果がレジオネラ・ニューモフィラ抗原陽性となり、在郷軍人病に感染していると診断された。22日に治癒して退院したとのこと。患者は潜伏期間中にマカオを離れておらず、SSMは域内で感染したものとの見方を示した。

 在郷軍人病はレジオネラ属菌が引き起こす伝染病の一種で、菌を含む水が空調などを通じて飛散することによる空気感染すると考えられている。病名の由来は1976年に米国フィラデルフィアで開催された在郷軍人大会で集団発生したことによる。レジオネラ属菌は多様な環境下に存在するが、20〜45℃の温水で成長しやすく、水のタンク、スパプール、噴水、家庭で用いられる医療用吸入器などから見つかることも多いとのこと。症状としては、発熱、空咳、呼吸困難、倦怠感、頭痛、筋肉痛、腹痛、下痢などが挙げられ、抗生物質による治療が可能とのこと。マカオで確認された在郷軍人病感染者数は2021年が3人、2020年が6人、2019年が2人、2018年が5人。マカオ域内のほか、中国本土滞在時に感染したとみられるケースもあった。

マカオの大型総合病院として知られる鏡湖醫院(資料)-本紙撮影

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