ウィズコロナ移行後初の春節GW迎えたマカオ、インバウンド市場が急回復

 長くゼロコロナ政策を堅持し、厳格な水際措置を講じてきたマカオだが、昨年(2022年)12月から政策転換が進み、今年(2023年)1月8日にウィズコロナへ完全移行するに至った。

 これと同時並行で水際措置の大幅緩和も進んだ。隔離検疫は撤廃され、中国本土、香港、台湾から入境する場合はいかなる新型コロナ検査証明も不要に。海外からについてもPCR検査陰性証明を迅速抗原検査(セルフ検査)陰性結果で代用できるようになっている。

 近日は地理的に近い中国本土及び香港からの旅客を中心に、インバウンド旅客数が急回復している状況。中国本土でも事実上のウィズコロナへの転換が進み、マカオとの相互往来にあたり新型コロナ絡みの手続きが全く必要なくなった。香港ではマカオから入境する場合の水際措置は従前から緩和が進んでおり、マカオの政策転換を受けてマカオ〜香港間の交通機関も相次ぎ再開している。

 マカオでは、状況が一変して以降で初めて年間最大の書き入れ時となる春節(旧正月)シーズンを迎え、インバウンド旅客数がどの程度まで回復するかが注目された。今年(2023年)の中国本土における春節ゴールデンウィーク(GW)は旧暦の大晦日にあたる1月21日から1月27日までの7日間(昨年は1月31日から2月6日までの7日間)。

 マカオ政府旅遊局(MGTO)は1月29日、先の春節GW期間におけるインバウンド旅客数及びホテル客室稼働率統計を公表した。

 7日間の総インバウンド旅客数は約45.1万人で、内訳は中国本土旅客が約26.5万人、香港旅客が約16.5万人。単日平均は前年同時期から297.0%の大幅増となる約6.4万人に。MGTOの事前に見込んでいた4.7万人を上回った。単日平均における香港旅客数の増加幅は2601.8%で、総インバウンド旅客数の底上げにつながった。1月24日(GW4日目)の単日インバウンド旅客数は9万人を突破し、新型コロナの影響が生じて以降の最多記録となった。

 ホテル客室稼働率は、前年同時期から22.4ポイント上昇の85.7%。最高となったのは1月24日の92.1%。

 MGTOでは、春節GW期間のインバウンド市況は理想的だったと総括した。

 マカオで新型コロナの影響が生じたのは2020年春節の直前のこと。参考までに、コロナ前2019年の春節GW7日間の総インバウンド旅客数は121万3487人で過去最多、単日平均は約17.3万人だった。今年の春節GWのインバウンド市場が急回復したとはいえ、総インバウンド旅客数は3割程度にとどまる。今後しばらくはオフシーズンに入ることから、どれだけ回復ペースを維持できるか、また中国本土と香港以外からの特に国際旅客を呼び込めるかが課題となる。

 このほか、春節GWを含む1月のカジノ売上は2月初頭に公表予定となっており、どの程度まで回復するかが注目されている。

春節GW期間中には多くの大規模イベントが開催され、インバウンド旅客の誘致につながったとみられる(資料)=2023年1月22日(写真:MGTO)

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