マカオ政府、2023年度の全市民への現金配布作業完了…1人あたり約18万円、16年連続実施

 世界最大規模のカジノ売上を誇る都市として知られるマカオ。カジノ税という潤沢な財源を抱え、莫大な財政準備を誇るマカオ特別行政区政府は、インフレ対策や富の還元を理由に2008年から市民に対する現金配布を毎年実施している。

 マカオ政府財政局は8月8日、7月4日からスタートした今年度の現金配布作業について、8月4日をもって完了したと発表。支給対象者の数は約73.6万人、支給総額は72.3億パタカ(日本円換算:約1291億円)で、銀行振込による支給分(公務員及び事前口座登録者など)が全体の75%を占めたとした。

 16年連続実施となる今年度の支給対象は前年末時点で有効なマカオ特別行政区永久性居民(永久居留権)及び非永久性居民(臨時居留権)IDカードの保有者で、支給金額は前者が1万パタカ(約18万円)、後者が6000パタカ(約11万円)。給付にあたって所得、年齢、居住地といった要件はなく、また特別な手続きを必要とせずとも政府から対象者へ直接銀行振込または小切手で一括で支給された。

 支給額は実施初年度の2008年は5000パタカ(約9万円)だったが、以降は段階的に増額され、2019年以降は据え置きに。マカオ永久性居民の場合、16年間の合計支給額は13.4万パタカ(約240万円)に上る。現金配布はコロナ禍でカジノ税収が大幅減となり、緊縮財政を敷く中でも経済支援対策の一環として継続実施された。このほか、コロナ禍では複数回にわたって臨時性の現金あるいは電子マネーの支給もあった。

マカオ特別行政区による現金配布で市民に郵送された小切手のイメージ(資料)=本紙撮影

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