マカオ、今年11・12例目の輸入性デング熱感染確認…患者にそれぞれフィリピン、ベリーズ渡航歴

 マカオ政府衛生局(SSM)は8月27日、同月22日にマカオ域内で新たに輸入性デング熱感染を2例確認したと発表。マカオにおけるデング熱感染例出現は4日ぶり、今年(2025年)の年初来で11・12例目。

 1人目の患者はマカオ半島・美的路主教街のマンション「德昌大廈」に居住する非マカオ籍の男性(10)で、前月(7月)21日から8月25日にかけてフィリピンを訪問していた。患者は8月25日の朝から発熱し、喉に赤い斑点が現れる症状があったことから、フィリピンで医療機関を受診したものの、その際にデング熱/チクングニア熱の検査は行われず、同日夜のフライトでマカオへ戻り、26日に私立総合病院の鏡湖醫院を受診。この際に受検した検査結果が同日夜に明らかとなり、デング熱に感染していることが確認されたとのこと。

 2人目の患者はタイパ島のマンション「華寶花園(タワー4)」に居住し、タイパ島にある聖公会中学(マカオ)に勤務する非マカオ籍の女性(36)で、前月(7月)26日から8月17日にかけて中米ベリーズを訪問していた。患者は8月19日にマカオへ戻った後、25日に皮膚の発疹、眼窩の奥の痛み、筋肉痛の症状が現れ、26日には発熱が出現し、同日タイパ島にある公立クリニックを受診し、この際に受検した検査結果が同日夜に明らかとなり、デング熱に感染していることが確認されたという。 

 なお、両人とも入院治療を受ける予定だが、目下のところ容体は安定しているとした。

 同局では、患者の渡航歴、発症時間、検査結果を総合し、いずれも輸入性感染例と判断。患者の自宅及び主な活動場所周辺で緊急的な蚊の駆除及び蚊の発生源の調査・除去作業を実施する予定。

 デング熱は蚊(ヒトスジシマカ)を媒介とする感染症。一昨年のマカオにおけるデング熱感染確認は7例で、すべて輸入性だったが、昨年は輸入性感染が2月(1件)、5月(1件)、6月(2件)、7月(1件)、10月(18例)、11月(12例)、12月(4例)の計39例、当地感染が10月(1例)、11月(8例)の計9例に上った。なお、昨年分に関して、10月以降に感染確認された輸入性事案の大半にマカオと相互往来が緊密な広東省中山市、仏山市、江門市滞在歴があった。今年は今回のケースを含めて当地感染が1例、輸入性が12例。

 マカオの人口は約68万人、人口密度は世界的にみてもかなり高い約2万人/平方キロ。すでに雨季を迎え、蚊の発生しやすい状況となっており、またボーダーを跨ぐ移動が増える夏休みシーズンを迎えていることから、同局が市民に対して域内及び外遊時にデング熱及び最近周辺地区で流行が見受けられるチクングニア熱への予防対策を講じるよう繰り返し呼びかけるとともに、市政署と合同で蚊の発生源の調査・駆除を強化して臨んでいる。

マカオ外港フェリーターミナルに掲出されている外遊先でのデング熱への注意を呼びかけるサイネージ(資料)=2024年8月本紙撮影

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