マカオ社会保障基金、2022年の投資損失は約1449億円…5年平均利回り2.58%

 このほどマカオの公的年金にあたる社会保障基金(FSS)が昨年(2022年)の年次報告を公表。

 同報告書によれば、ウクライナ情勢が欧米による対ロシア制裁及びサプライチャーン等の問題の引き金となり、世界規模でのインフレの悪化や米国による大幅な利上げが相次いだことで世界の株式市場と債権市場が混乱し、株、再建、米ドル以外為替に深刻な影響が及んだことで、昨年のマカオ社会保障基金の資産運用実績は投資と為替の損失が約79億9743万パタカ(日本円換算:約1449億円)に達し、コストについても前年から約144.87%の大幅増になったという。

 FSSでは、常に慎重かつ堅実な投資戦略を採用しているとし、昨年12月31日時点の投資資産総額は約858億3414万パタカ(約1兆5555億円)で、内訳は銀行定期預金がポートフォリオ全体の51.4%を占め、グローバル金融投資が同約48.86%とのこと。

 グローバル金融投資において銀行定期預金で得られたリターンを大きく上回る損失が発生したことから、昨年の投資平均利回りは前年比マイナス約7.46%となり、前年の同プラス約5.92%から顕著な下落に。ただし、直近5年間の総投資利益は約108億パタカ(約1957億円)に上り、5年平均利回りは約2.58%のプラスを維持しているとした。

 このほか、コロナ禍で収入も前年比約71.18%の大幅減となった。マカオ社会保障基金は主に政府による拠出(カジノ税収の一部、財政黒字の一部など)となるが、昨年のマカオのカジノ売上はコロナ禍の3年間でも最低を記録。カジノ売上を根拠とするカジノ税はマカオの歳入の大半を占め、コロナ禍の3年間は財政赤字が続き、財政準備の切り崩しが行われた。昨年の基金の収入に占める政府拠出の割合は約43.5%にとどまり、利息・配当が約31.4%、社会保険料及び海外労働者雇用費が約24.77%という内訳だった。

 コスト増については、コロナ禍で失業給付が増えたことなどもあったという。総コストに占める社会保障給付と社会補助支出の割合は約40.68%で、投資・為替損失が約56.95%とのこと。

マカオ社会保障基金ラザロ地区オフィス(資料)=本紙撮影

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