マカオのカジノが異例の全閉鎖に…超大型の台風9号接近で臨時措置

 目下、超大型の台風9号(国際名:サオラー)がマカオに接近中。マカオ気象台(SMG)によれば、現地時間9月1日午後9時時点で台風9号はマカオの東南東約90キロの位置にあり、中心付近の気圧は930hPa、毎時15キロの速さで西へ向かっているとのこと。

 SMGは9月1日午後9時時点で台風警報シグナル8(上から3段階目)と赤色高潮警告(上から2段階目)を発令中。また、同日午後11時に台風警報シグナルを9に引き上げるとするとの予告も発表された。マカオと香港、広東省珠海市との間のボーダーも1日夜にかけて段階的に閉鎖され、文字通り陸の孤島と化している状況。SMGでは、台風は今夜から明日朝にかけて強い勢力を維持したままマカオに再接近する見通しとしている。

アフターコロナでカジノ売上の回復が進むマカオ(資料)=2023年8月、カジノリスボア前にて本紙撮影

 また、先ほどマカオ政府は「台風接近に伴う客と従業員の安全を確保するため、台風警報シグナル9以上の発令をもって全カジノ施設を臨時閉鎖する」とのマカオ行政長官令が発出されたことを明らかにした。すでにシグナル引き上げ予告が出されている状況で、シグナル9発令までに順次閉鎖される見通し。

 マカオのカジノ施設は年中無休の24時間営業が基本のため、全閉鎖は極めて異例のこと。直近ではコロナ禍の防疫措置で2020年2月と2022年7月に二度の全閉鎖があったが、台風が原因となるのは2018年9月以来、およそ5年ぶり。5年前の台風時の閉鎖時間は約33時間に及んだ。

 アフターコロナでマカオのカジノ売上は順調に回復が進んでいるが、今回の全カジノ施設の臨時閉鎖は書き入れ時の週末にかかるため、カジノ売上に若干のマイナス影響が生じると予想される。参考までに前月(8月)の1営業日あたりの平均売上は約5.56億パタカ(日本円換算:約99.8億円)だった。

マカオ気象台発表による9月1日午後9時時点の台風9号サオラーの位置及び進路予想(図版:SMG)

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