マカオのカジノが台風一過で営業再開…異例の全閉鎖は一晩で解除に

 台風9号(国際名:サオラー)のマカオ接近に伴い、9月1日夜からマカオの全カジノ施設が異例の全閉鎖となったが、9月2日午前8時に営業再開となった。

 1日午後7時頃、「台風接近に伴う客と従業員の安全を確保するため、台風警報シグナル(※)9以上の発令をもって全カジノ施設を臨時閉鎖する」との行政長官令が発出。同日午後8時、気象当局が同日午後11時にシグナルの8から9への引き上げ予告を出したことを受け、各カジノ施設で閉鎖に向けた準備が始まり、午後11時までに客と従業員の退出が完了した。その後、2日午前1時に警報シグナルは最高レベルの10に引き上げられたが、台風の通過に伴い、午前6時にシグナルが8に引き下げられ、午前8時の営業再開がアナウンスされたもの。(※香港・マカオの台風警報シグナルは低→高の順で1、3、8、9、10となっている)

台風9号による影響で臨時閉鎖となったマカオのカジノ施設の様子(写真:DICJ)

 マカオのカジノ施設は年中無休の24時間営業が基本のため、全閉鎖は極めて異例のこと。直近ではコロナ禍の防疫措置で2020年2月と2022年7月に二度の全閉鎖があったが、台風が原因となるのは2018年9月以来(この時が史上初めてのケース)、およそ5年ぶり。5年前の台風時の閉鎖時間は約33時間に及んだが、今回は約9時間にとどまった。

 なお、依然として台風警報シグナル8が発令されており、域内及び香港との間を結ぶ公共交通機関は運休が続いている。マカオ気象当局は午前中いっぱいシグナル8を維持する見通しを示しており、公共交通機関の運行・運航再開は早くても午後以降になりそうだ。

台風9号による影響で臨時閉鎖となったマカオのカジノ施設の様子(写真:DICJ)

 台風9号による被害状況について、マカオ政府は2日午前8時までに把握している情報として、負傷者2人、事故121件(倒壊34件、落下物対応75件、建設現場施設対応9件、海上事故1件、火災1件、閉じ込め1件)、避難所の使用者は累計243人としている。

 マカオでは、2017年8月に超大型の台風が襲来し、人的、物的に甚大な被害が発生したほか、一部のカジノ施設が浸水や停電の影響を受け、混乱が生じた。この被災経験を教訓に、災害に強い街づくりが進められていると同時に、市民の防災意識も高まっている。

台風9号による影響で臨時閉鎖となったマカオのカジノ施設の様子(写真:DICJ)

関連記事

最近の記事

  1.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営する澳門輕…
  2.  マカオ司法警察局は6月30日、客との共謀による不正行為でカジノ運営企業からゲーミング(カジノ)チ…
  3.  マカオ政府博彩監察協調局(DICJ)は7月1日、今年(2025年)6月の月次カジノ売上(粗収益、…
  4.  マカオ政府統計・センサス局(DSEC)は6月30日、今年(2025年)3〜5月期の雇用統計を公表…
  5.  中国では、東京電力福島第一原子力発電所からの「ALPS処理水」の海洋放出をきっかけに、2023年…

ピックアップ記事

  1.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  2.  マカオ政府は6月9日午後5時からマカオ政府本部ビルで特別会見を行い、SJMリゾーツ社、メルコリゾ…
  3.  マカオ政府旅遊局(MGTO)は4月29日、国際旅客誘致策の一環として昨年(2024年)実施した香…
  4.  今年(2025年)に入って以降、マカオ政府が新交通システム「マカオLRT」の新路線計画を相次いで…
  5.  仏ミシュラン社は3月13日、香港・マカオでも高い知名度と信頼性を誇る人気グルメガイド「ミシュラン…

注目記事

  1.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  2.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  3.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  4.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  5.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…

イベントカレンダー

7月 2025
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31    
« 6月   8月 »
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2025年7月号
(vol.145)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun