カジノ関係者のギャンブル依存に懸念

マカオのゲーミング業従業員が加入する幸運博彩業職工總會傘下の互助組織「ゲーミング業従事者の家」によると、2013年に加入者から受けた相談のうち、賭博問題に関するものが目立ったという。そのうち、約7割がカジノディーラーによるもので、カジノ従業員は他の業種と比較してギャンブル依存に陥りやすいとしている。

1月5日付地元有力紙「澳門日報」が伝えた。同組織によると、2013年の1年間に受けた相談の約1割にあたる80人が賭博に関する内容だったという。数字そのものが全体に占める割合は大きくないが、ギャンブル依存についての相談者のうち大半が50歳以上で、借金問題を抱えていたという。一方、30歳以下の若い加入者による同内容の相談はほとんどなかったというが、未婚で所帯を持っていないことから扶養家族がいないため問題が発覚しにくく、親類や友人に問題解決を依頼しているものと考えられ、表面化しにくい問題化して関心を抱いているという。

賭博の問題に関する相談は21件あり、13名が男性、8名が女性で、7割がカジノディーラー、次いでホテル業関係者やフロアマネージャー、カジノ運輸担当等。また、約8割の相談者が10万パタカ(日本円換算:約130万円)以下の借金を抱えていたという。

同組織によると、救助を求めた相談者がカウンセリングを受けた後に、再びギャンブル依存となることも多いとのこと。マカオ政府社会工作局の「問題ギャンブラー中央登録制度」の統計によると、カジノディーラーやカジノ関係業務に携わる人物からの申請が他業種と比較して多いといい、長時間カジノ内で勤務しており、ギャンブルと接する機会が多いことが影響しているとみている。こういったことから、同組織ではゲーミング業従業員に対してゲーミング産業に対する正しい認識、適切な金銭管理、職業倫理を高めるための啓蒙活動が必要とし、相談者には「責任あるゲーミング」講座の受講を促している。

幸運博彩業職工總會ホームページ

画像クリックで幸運博彩業職工總會ホームページへジャンプ

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオではアフターコロナで社会・経済の正常化が進んだ昨年(2023年)から歩行者による禁止場所で…
  2.  マカオ治安警察局は7月26日、マカオ警察総局による指揮の下、マカオの良好な治安環境の保護・維持を…
  3.  ユネスコのアジア太平洋地域世界遺産研修研究所は7月23日、第46回国連大会が開催中のインド・ニュ…
  4.  マカオ司法警察局は7月25日、マカオで覚醒剤の密売したとしてタンザニア人旅客の20代の男を逮捕し…
  5.  マカオ治安警察局は7月25日、カジノ施設が集積するマカオ半島新口岸地区にあるスーパーマーケットで…

ピックアップ記事

  1.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  2.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  3.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  5.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…

注目記事

  1.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  2.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  3.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  4.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  5.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年8月号
(vol.134)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun