マカオ政府、スポーツくじ事業者の経営権延長条件にローカル優先雇用を追加
- 2025/6/12 18:01
- カジノ・IR
豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノ施設ばかりが目立つが、実はマカオにはサッカー及びバスケットボールを対象としたスポーツくじやロトといったカジノ以外の合法ギャンブルも存在し、政府とコンセッション(経営権契約)を結ぶ民間事業者によって運営されている。
マカオ政府のカジノ監理部門、博彩監察協調局(DICJ)は6月12日、先頃マカオ政府がマカオでスポーツくじを運営する澳門彩票有限公司(マカオスロット社)コンセッション(経営権契約)の延長に関する会議を開き、この中でローカルの雇用を優先することをコンセッション延長条件として盛り込む考えを伝えたことを明らかにした。
これに対し、澳門彩票有限公司側から政府の政策に積極的に協力し、ローカルの雇用を保障することで企業の社会的責任を果たす姿勢が示され、具体的に同社の全従業員の15%を占める海外労働者の削減を進める計画を策定し、2026年第1四半期末までにノンプロフェッショナル海外労働者の35%にあたる26人分の雇用枠を先行して削減、以降も段階的に海外労働者の雇用枠を削減していくことをコミットしたとのこと。
マカオ政府では、同社のローカル優先雇用状況及び社会的責任の履行状況を継続してチェックすることで、労働市場の健全な発展を確保し、社会の安定を共同で維持していくとした。
マカオスロット社は澳門旅遊娯楽有限公司(STDM社)傘下で、1989年に創業された。マカオと香港の間を往来する客船上でインスタントくじを初めて販売。その後、1998年のサッカーW杯前にサッカーくじ、2000年にバスケットボールくじの独占経営権をそれぞれマカオ政府から獲得した。
2024年のマカオのサッカーくじとバスケットボールくじの売上合計は前年から9.7%増の約6.44億マカオパタカ(日本円換算:約114億円)だった。参考までに同年のカジノ売上は2267.82億パタカ(約4兆0299億円)。
