マカオのカジノ売上不振長引く、VIPルーム業界に寒風

昨年(2014年)6月以降、マカオのカジノ売上が7ヶ月連続で下落している。特に、VIPカジノ部門の不振が目立つ。カジノを管轄するマカオ政府博彩監察協調局が1月16日に発表した最新データによると、VIPルームの売上の大半を占めるVIPバカラの昨年の売上は前年比10.9%減の2125.35億パタカ(日本円換算:約3兆962億円)となった。

マカオの日刊紙「澳門日報」が1月19日付紙面で報じた内容によると、VIPルームの3分の2が閉鎖となり、数百人単位の失業者が出るとする市場の見方もあると紹介している。

マカオ経済財政庁の梁維特長官は1月18日に開催された地元メディアとの懇親会の席上、VIPルームの閉鎖問題について触れ、これまでに政府労工局が把握しているVIPルームの閉鎖は1件のみで、市場で流布されている情報の規模とは異なるとの認識を示した。また、閉鎖となった1件のVIPルームの従業員については、労工局がジョブマッチングサービスの提供などを通じてサポートしているという。

VIPカジノ部門の不振はしばらく続くとみられることから、今後、VIPルームの経営環境は一層厳しさを増すことも予想される。

一方、マスゲーミング(平場)部門の売上は伸びており、昨年の一般バカラの売上は前年比16.3%増の1065.27億パタカ(約1兆5519億円)に達している。カジノ運営企業にとって、仲介業者へのコミッション支払いが発生するVIPルームと比較し、直営となるマスゲーミングの方が利益率が高いとされる。

カジノチップとバカラのゲーミングテーブルのイメージ(資料)—本紙撮影

カジノチップとバカラのゲーミングテーブルのイメージ(資料)—本紙撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオではアフターコロナで社会・経済の正常化が進んだ昨年(2023年)から歩行者による禁止場所で…
  2.  マカオ治安警察局は7月26日、マカオ警察総局による指揮の下、マカオの良好な治安環境の保護・維持を…
  3.  ユネスコのアジア太平洋地域世界遺産研修研究所は7月23日、第46回国連大会が開催中のインド・ニュ…
  4.  マカオ司法警察局は7月25日、マカオで覚醒剤の密売したとしてタンザニア人旅客の20代の男を逮捕し…
  5.  マカオ治安警察局は7月25日、カジノ施設が集積するマカオ半島新口岸地区にあるスーパーマーケットで…

ピックアップ記事

  1.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  3.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  4.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  5.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…

注目記事

  1.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  2.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  3.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  4.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  5.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年8月号
(vol.134)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun