X’mas休暇期のホテル客室稼働率明暗

クリスマスシーズンを迎えたマカオだが、マカオを訪れる旅客の大半を占める中国本土ではクリスマス休暇がないたいため、老舗3つ星、4つ星ホテルの客室予約率は3~4割程度にとどまり、24日のクリスマスイヴについても6割前後で価格も平日並みという。しかし、一部豪華カジノリゾートホテルでは主に東南アジアや香港からの顧客で客室稼働率が9割以上に達し、勢いは月末まで続く。ホテルランクにより明暗が分かれたようだ。

25日付地元有力紙「澳門日報」がホテル業界関係者の話として伝えた。ホテル業商会の陳志杰会長によると、中国本土にはクリスマス休暇がなく、マカオにおけるクリスマス時期最大のターゲットは香港からの旅客。香港のクリスマス休暇は短く、業界では大きな期待をせず予約率も3~4割程度と見込んでいた。また、コタイ地区に新しいホテルが増えており、常にフェリーチケットとのパッケージを売り出すなどのプロモーションで香港旅客から好評を得ているため、マカオ半島の3、4つ星ホテルは価格を上げずに競争力を維持したいと考えているとのこと。

同氏によると、クリスマス時期の3、4つ星ホテルの稼働率は約6割で、一部4つ星ホテルの一般的なホリデー宿泊価格は1,800パタカだが、24日のイブ、25日のクリスマスは価格を上げず、1,100パタカ程度を維持する。多くの旅客が週末から大晦日にかけてマカオへの旅行を計画しているため、クリスマスホリデーの稼働率が高くなかったのではないかとした。

あるカジノリゾートホテルによると、中国本土にクリスマス休暇がないため香港と東南アジアをメインに考えているが、21日の冬至から週末にかけて数多くの本土からの旅客が訪れており、すでにクリスマス前の22日土曜日夜から客室稼働率9割をキープしているという。最近の客室稼働率は高水準を維持しており、この勢いが年末まで続くと見通しで人の流れと消費力も昨年並みとなりそうとのこと。今年は客室稼働率、カジノ利用客ともに優勢を保っており、新ホテルが次々誕生しても顧客の希薄化はなかったとの考えを示した。

先月(11月)のホテル客室稼働率は8割を維持し、ホテル宿泊を伴う旅客も前年同月比で11%増、価格も5%増となったことから、業界ではクリスマスの結果に関わらず、総じて今年は「豊作の年」だったのではないかとの認識だ。

ホテル業界では客室稼働率を重視する姿勢を示しており、今後も需要状況に応じて価格調整などを行うことで競争力を維持したい考えという。

2012年クリスマスシーズン真っただ中(資料)―本紙撮影

2012年クリスマスシーズン真っただ中(資料)―本紙撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオにとって最大の旅客ソースとなる中国本土では5月1日から5日までが5連休(「五・一」労働節ゴ…
  2.  マカオ政府統計・センサス局(DSEC)は4月26日、今年第一四半期(2024年1〜3月期)の雇用…
  3.  マカオの公共路線バスで4月25日午前0時から中国本土版のアリペイ、香港版のアリペイ、マカオ以外の…
  4.  近日、マカオを含む中国華南の珠江デルタ地域では大雨が続いている。  マカオ政府海事・水務局…
  5.  マカオ貿易投資促進局(IPIM)は4月24日、マカオにおけるMICE誘致状況のアップデートを明ら…

ピックアップ記事

  1.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  2.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  3.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  4.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  5.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…

注目記事

  1.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  2.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  3.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  4.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  5.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun