マカオ政府がユネスコ食文化創造都市への登録申請を計画=グルメの街をアピール

大航海時代以来、東洋と西洋を結ぶ貿易港として栄えたマカオ。東西文化が見事に融合したエキゾチックな町並みが残るマカオ半島中心部の旧市街(歴史市街地区)にはユネスコ世界文化遺産リストに登録された建築物と広場が30ヵ所も存在する。

マカオといえば、多様な食文化の宝庫としても多くの観光客を魅了している。まず、真っ先にその名が挙がるのがご当地料理のマカオ料理だ。ポルトガル料理をベースに、アフリカ、インド、中国の調味料、食材、調理法などを融合したものであることから「大航海時代の味がする」とも言われ、代表メニューにアフリカンチキンやカレークラブなどが挙げられる。

また、21世紀に入って以降、大型カジノIR(統合型リゾート)施設が相次ぎオープンしており、核テナントとして広東料理、フレンチ、イタリアン、日本料理などで世界トップ水準を誇るレストランの誘致が進んでいる。このほか、エッグタルトやセラデューラといった欧風スイーツをはじめ、ポークチョップバーガーやカレーおでんといったB級グルメも存在感を発揮している。

マカオ政府旅遊局(MGTO)のマリア・エレナ・デ・セナ・フェルナンデス局長は5月9日、ユネスコ・クリエイティブシティーズ(創造都市)ネットワーク(食文化分野)への登録申請を計画していることを明らかにした。

スパイシーなのがアフリカンチキンなら、こちらはココナッツミルクでまろやかな味わいのポルトガルチキン。いずれもマカオ料理の定番メニュー(資料)―本紙撮影

スパイシーなのがアフリカンチキンなら、こちらはココナッツミルクでまろやかな味わいのポルトガルチキン。いずれもマカオ料理の定番メニュー(資料)―本紙撮影

日本の文部科学省のウェブサイトによれば、ユネスコ・クリエイティブシティーズ(創造都市)ネットワークとは、世界遺産等とは異なり、条約に基づくものではなく、ユネスコが主体として実施する一事業とのこと。文学、映画、音楽、芸術などの分野において、都市間でパートナーシップを結び相互に経験・知識の共有を図り、またその国際的なネットワークを活用して国内・国際市場における文化的産物の普及を促進し、文化産業の強化による都市の活性化及び文化多様性への理解増進を図るのが目的という。

フェルナンデス局長は、中国では四川省成都市と広東省順徳市がユネスコ食文化創造都市への登録に成功していることから、MGTOからこの2都市に職員を派遣して具体的な申請手続きや要件等について学習した上、早ければ来年(2017年)にも申請を行う考えを示した。

マカオの名物スイーツとして人気のエッグタルト(資料)―本紙撮影

マカオの名物スイーツとして人気のエッグタルト(資料)―本紙撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ政府統計・センサス局(DSEC)は4月26日、今年第一四半期(2024年1〜3月期)の雇用…
  2.  マカオの公共路線バスで4月25日午前0時から中国本土版のアリペイ、香港版のアリペイ、マカオ以外の…
  3.  近日、マカオを含む中国華南の珠江デルタ地域では大雨が続いている。  マカオ政府海事・水務局…
  4.  マカオ貿易投資促進局(IPIM)は4月24日、マカオにおけるMICE誘致状況のアップデートを明ら…
  5.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…

ピックアップ記事

  1.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  2.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  3.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  4.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  5.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…

注目記事

  1.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  2.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  3.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  4.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  5.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun