マカオの20年1〜7月累計カジノ税収67%減の約2973億円…新型コロナ余波

 マカオ政府財政局が8月12日付で公表した最新の財政収支データによれば、今年(2020年)1〜7月累計の歳入は前年同時期から5.2%減の731億7294.7万マカオパタカ(日本円換算:約9802億円)で、年度(1〜12月)予算執行率は66.7%だった。

 ただし、経常的収入に限ると61.9%減の285億3208.2億マカオパタカ(約3822億円)にとどまった。

 このうち、ゲーミング(カジノ)税収は67.0%減の221億9357.0万マカオパタカ(約2973億円)。年度予算執行率は44.4%で、歳入に占めるゲーミング税の割合は30.3%に。通常は歳入の約8割を占めるが、ゲーミング税収の大幅減に加え、財政準備からの補填分が資本的収入に計上(後述)されたことによって割合が小さくなった。

 歳出は22.0%増の505億3263.4万マカオパタカ(約6770億円)で、年度予算執行率は46.1%。経常性費用が27.1%増、資本性費用が17.4%減だった。

 財政収支は226億4031.4万マカオパタカ(約3033億円)の黒字、前年同期比では36.7%の大幅なマイナスだった。

 ゲーミング税はカジノ粗収益(Gross Gaming Revenue=GGR)がベースとなる(*註)。今年1月下旬以降、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行に伴う入境制限を含む防疫対策強化等によってインバウンド旅客数が激減し、GGRを直撃した。1〜7月累計のGGRは79.8%の大幅減となる350.64億マカオパタカ(約4698億円)にとどまっている。

 なお、今年4月に新型コロナの影響を考慮し、カジノ税収の半減による歳入減と防疫・経済支援策による歳出増を見込み、財政準備から389.5億マカオパタカ(約5218億円)を補填する内容を盛り込んだ2020年度改正予算案が立法会で可決された。4月以降の財政収支データは改正後の数値が反映されるため、当初予算ベースだった3月までのものと比較して差異が生じている。

(*註)マカオのカジノに対する実効税率は約38〜39%。GGRの35%に加え、マカオファウンデーションへの拠出分として1.6%、インフラ・観光・社会保障基金への拠出分が2.4%(SJM社のみ1.4%)。

大型カジノIR(統合型リゾート)が建ち並ぶマカオ・コタイ地区の風景(資料)=2020年7月本紙撮影

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