香港、新型コロナ市中感染確認32日連続ゼロ維持…韓国アシアナ航空ソウル出発便が乗り入れ禁止処分に、防疫措置違反などで=7/9

 人口約750万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いていたが、5月にかけてようやく状況が落ち着き、政府が5月29日に終息との見方を示した。

 6月以降は、上旬に1家族の女性3人の市中感染例、24日と27日にかけて空港での業務に従事する男性1人とその密接接触者の1人、7月2日には検疫用ホテルの清掃作業員の女性1人の輸入関連性感染確認例(いずれも当初市中感染例とされたが輸入例との関連性確認後に変更)があった。

 香港政府の発表によれば、7月9日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は1人で、輸入性(海外からの入境者)の事案だったとのこと。市中感染確認は32日連続ゼロを維持した。

 輸入性の患者はオランダから空路カタール経由で7月5日に香港へ到着した男性(18)。隔離検疫のため香港島の西營盤地区にある検疫用ホテルに滞在しており、検疫期間中に受けた検査で陽性反応が出たことから感染確認に至ったもの。L452R変異株ウイルス感染だった。男性は香港衛生当局の調査に対し、オランダ滞在中に独ビオンテック製のmRNAワクチン「Comirnaty」(日本で「ファイザー」と呼ばれているもの)を2回接種済みと話しているという。

 なお、翌日以降に感染確認となる可能性が高い陽性予備群(初歩感染確認者)は5人以下という。

 このほか、香港衛生当局は7月9日、同月6日に韓国アシアナ航空OZ721便でソウルから香港に到着した乗客のうち1人が空港での検査で感染確認されたほか、別の乗客1人が香港の防疫措置規則に違反していたため、同社が運航するソウル出発便を7月10日から2週間にわたって香港乗り入れ禁止処分とすることを発表した。

 香港における過去14日間(6月25日〜7月8日)累計の新規感染確認は43人で、内訳は輸入性が41人、輸入関連性が2人。ここまでの累計感染確認数は1万1950人(擬似事案1人含む)。

 香港の7月8日午後8時時点のワクチン接種率は36.9%(1回目の接種完了)、25.0%(2回目の接種完了)となっている。累計接種回数は420万7040回、1日あたり接種回数は6万3532回(7日移動平均値6万1441回)。

 6月21日に香港における市中感染確認ゼロ14日間を達成したことを受け、すでに450日以上にわたって市中感染ゼロが続くマカオとの往来制限緩和に関する協議が両政府間で正式にスタートした。現時点で具体的なスケジュール及び詳細条件は未発表ではあるものの、香港の感染経路不明の市中感染ゼロが14日にわたって維持できれば条件付きで隔離検疫なしでの両地の往来が実現するとされている。直近で確認された輸入関連性事案の患者は市中で見つかったことから、純粋な市中感染確認ゼロで計算すれば、実現は早くても翌週末以降になりそうだ。

香港国際空港(資料)-本紙撮影

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