マカオの人口増加ペース鈍化、高齢化持続…2021年センサス詳細報告

 マカオ政府統計調査局(DSEC)は6月7日、2021年8月に実施した第16回センサス(日本の国勢調査に相当)の詳細報告を公表した。

 ポイントは下記の通り。

<人口増加ペース鈍化、高齢化持続>

 2021年8月のマカオの総人口は前回調査(2011年)から23.5%増68万2070人で、10年間の平均増加率は2.1%。2001〜2011年の2.4%を下回った。海外労働者と留学生を除いたローカル人口は56万8662人で、前回調査から17.2%増。

 高齢化は持続しており、老年人口(65歳以上)が107.2%増の8万2812人で、総人口に占める割合は4.9ポイント上昇の12.1%。老年化指数は23.0ポイント上昇の83.7%に。

<女性人口が男性上回る、未婚率上昇>

 総人口に占める女性の割合は53.0%で、人口性比は(女性100人に対する男性の数)88.5。ローカル人口に限ると前回調査から4.0ポイント下落の88.7%で、女性が多く男性が少ない状況がより顕著となった。

 16歳以上人口中の未婚率は2.8ポイント上昇の27.4%、既婚率は3.3ポイント下落の64.1%に。平均初婚年齢は30.0歳で、2001年は28.6歳、2011年は29.0歳と上昇傾向が続く。

<人口密度増、最多人口はタイパ島中心部>

 人口密度(1平方キロメートルあたり)は前回調査から2166人増(11.7%増)の2万0620人に。人口密度の最も高いエリアはいずれもマカオ半島北部の黒沙環区、祐漢区、林茂塘区、新橋区で、14万人超に上った。

 エリア別の人口では、タイパ島中心部が黒沙環埋立地と黒沙環区及び祐漢区を抜きトップに。これら3エリアの陸上人口に占める割合は11.1%、10.4%、10.1%。人口増加率が最も大きかったのは7.54倍増のコロアン島。

<教育水準上昇、高等教育学歴人口増>

 2021年の15歳以上人口中の高等教育学歴保有率は30.2%で、人口にして前回調査から99.9%増の17万5956人に。高校/ディプロマコース修了者は29.3%、中学及びその他学歴が40.5%。男女別では、男性人口中の高等教育学歴保有率が30.4%、女性が30.0%。

<世帯規模縮小、持ち家居住比率上昇>

 世帯数は前回調査から18.7%増の20万2727世帯で、1世帯あたり平均人数は2.98人に。2011年が3.08人、2001年が3.14人で、世帯規模は縮小傾向。2人以上の世帯が最も多く、前回調査から2.3ポイント上昇の25.6%。

 持ち家(世帯構成員の所有)居住世帯の割合が総世帯数の73.4%(14万8091世帯)に上り、前回調査から2.6ポイント上昇。賃貸物件居住世帯の割合は5.1ポイント下落(3万9148世帯)。

 過去10年間で公営住宅の供給が増加したことで、経済住宅(販売タイプ)と社会住宅(賃貸タイプ)居住世帯数が61.3%、121.4%のそれぞれ増となり、総世帯数に占める割合は前回調査から6.4ポイント上昇の19.6%に。

<6割近い世帯が自動車・バイク所有>

 機動車(自動車・バイク)を所有する世帯数は前回調査から27.4%増の11万9422世帯となり、陸上世帯に占める割合は59.0%に。

 マカオでは、およそ10年ごとにセンサスが実施されており、2021年で16回目。最初にセンサスが実施されたのはポルトガル統治下にあった1866年のことで、当時の総人口は5万6252人だった。1970年実施の第11回以降は6回連続で人口増が続いている。

マカオ「2021年センサス」調査員による戸別訪問の様子(資料)=2021年8月(写真:DSEC)

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