中国本土の新型コロナ新規市中感染者数は828人…海南省が過半、新疆ウイグル自治区でも3桁=8/8

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022年)に入って以降はオミクロン変異株及びその亜種(いわゆる「ステルスオミクロン」等)の流入を受け、上海や北京など一部地域で比較的大規模な再流行が発生した。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が8月9日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月8日の中国本土における新規市中感染確認者数は350人(前日から26人増)だったとのこと。内訳は海南省300人、広東省25人、内モンゴル自治区16人、吉林省2人、福建省2人、重慶市2人、広西チワン族自治区1人、四川省1人、チベット自治区1人。このうち海南省の43人、内モンゴル自治区の1人、広東省の1人、広西チワン族自治区の1人の計46人が無症状から感染確認へ転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは297日連続で、5日連続3桁となった。

 市中の無症状感染例は478人(前日から5人減)。内訳は海南省171人、新疆ウイグル自治区146人、浙江省67人、広西チワン族自治区25人、チベット自治区21人、広東省13人、新疆生産建設兵団7人、河南省5人、湖北省4人、内モンゴル自治区3人、吉林省3人、福建省3人、重慶市2人、四川省2人、甘粛省2人、天津市1人、河北省1人、安徽省1人、江西省1人。

 無症状を含む新規感染者数は828人で、6日連続増となった。

 8月8日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は2561人(うち輸入性が596人)で、重症者は3人(輸入性2人)。無症状の患者5122人(輸入性654人)が医学観察下にあるとのこと。

 省区市別で最多となったのは海南省で、全体の約57%を占める471人。同省では8月2日以降に三亜市を中心に感染例が急増し、オミクロンBA.5.1.3の流行とされている。三亜市における今回の流行が始まって以来の累計感染者数は1500人超に上る。同市では6日午前6時から人の流動を抑制する目的で準ロックダウンに相当する静態管理状態に入っており、高頻度のPCR検査によるスクリーニングが展開中。海南省内のほか、広東省、湖南省、湖北省、河南省など各地から2000人近い医療スタッフが支援のため同市入りしたとのこと。

 香港・マカオに隣接する広東省では、近日落ち着いた状況が続いたが、8月5日は4日連続で2桁の感染例が出現。8日の感染者38人のうち28人が湛江市から報告されたケースで、同市ではオミクロンBA.5.1.3とBA5.2派生型の2つの伝播チェーンが存在し、いずれも省外から流入したものとされる。これまでに4回にわたる大規模PCR検査を実施し、延べ1510万人が受検したとのこと。

 また、新疆ウイグル自治区でも単日の感染者数が3桁となったが、大半がイリ・カザフ自治州グルジャ市(伊寧市)の報告例。他にも各地で再流行が散発しており、ウイルス型もさまざま。

 中国本土の状況は総じて落ち着いている一方で、香港ではソーシャルディスタンス措置の第二次緩和後に市中感染確認数の緩やかなリバウンドが続き、直近では4〜5千前後(輸入性含む)となっている。マカオでは6月中旬から市中でオミクロンBA.5.1の流行が続き、累計1800人超に達した。ただし、全市民を対象とした高頻度のPCR検査及び迅速抗原検査によるスクリーニングと準ロックダウンともいえる厳格な防疫措置を講じて対応した結果、8月1日までにゼロコロナ状態を実現。マカオと広東省珠海市との間では、3日午後6時から条件付きの隔離検疫免除による相互往来が約1ヶ月半ぶりに再開した。ただし、珠海市でマカオからの輸入性感染例報告があったことから、マカオでは全市民に迅速抗原検査の実施を求めたり、重点エリアを対象としたPCR検査が行われるなど、再び緊張が高まっている状況。

中国・北京(資料写真)—本紙撮影

中国・北京(資料写真)—本紙撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  澳門海關(マカオ税関)は4月26日、世界知的所有権機関(WIPO)が制定した「世界知的財産の日(…
  2.  マカオにとって最大の旅客ソースとなる中国本土では5月1日から5日までが5連休(「五・一」労働節ゴ…
  3.  マカオ政府統計・センサス局(DSEC)は4月26日、今年第一四半期(2024年1〜3月期)の雇用…
  4.  マカオの公共路線バスで4月25日午前0時から中国本土版のアリペイ、香港版のアリペイ、マカオ以外の…
  5.  近日、マカオを含む中国華南の珠江デルタ地域では大雨が続いている。  マカオ政府海事・水務局…

ピックアップ記事

  1.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  2.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  3.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  4.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  5.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…

注目記事

  1.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  2.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  3.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  4.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  5.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun