フィッチ、マカオの通年カジノ売上予測を下方修正

格付会社のフィッチレーティングス社が今年(2014年)のマカオの通年カジノ売上成長率をこれまでの12%増から10%増へと下方修正する最新のリポートを発表した。要因としてVIPゲーミング業務の弱体化に伴い、今年6月に直近5年内で初めて月間カジノ売上が下落したことを挙げている。

7月16日付地元有力紙「澳門日報」が15日の香港ロイター電を引用して伝えた。マカオの今年6月のカジノ売上は前月から15.9%後退したが、今年上半期のカジノ売上は前年同期比12.6%増とフィッチ社が昨年発表したの通年予想を上回っていた。しかし、W杯の影響によりカジノ売上が下落し、7月のVIPゲーミングについても弱含みとなる見込み。フィッチ社では、カジノ運営各社がゲーミングテーブルをミニマム別途の低いが高利益率が見込めるマスゲーミングフロア(平場)へ配置転換することで、VIPゲーミング業に影響が及ぶだろうとしている。

フィッチ社では、年末までにVIPゲーミング業務は少しずつ下降線をただるが、マスゲーミングについては25〜30%程度の成長を見込む、通年のマカオのカジノ収入は10%前後となるだろうとみている。

交通インフラの拡充に伴い、中国に数多く存在する中産階級にとってマカオを訪れる利便性が向上しているとし、長期的にはマスゲーミン業務グがカジノ売上の主役になるとの見通し。一方、VIPゲーミング業務は中国本土のマクロ経済に敏感に反応しやすいとした。

なお、今年10月から導入されるマスゲーミングフロアの禁煙化については、ゲーミングテーブル滞在時間の短縮といった形で影響が出る可能性を指摘している。

マカオのカジノ(写真はイメージ)―本誌撮影

マカオのカジノ(写真はイメージ)―本誌撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオの公共路線バスで4月25日午前0時から中国本土版のアリペイ、香港版のアリペイ、マカオ以外の…
  2.  近日、マカオを含む中国華南の珠江デルタ地域では大雨が続いている。  マカオ政府海事・水務局…
  3.  マカオ貿易投資促進局(IPIM)は4月24日、マカオにおけるMICE誘致状況のアップデートを明ら…
  4.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…
  5.  アフターコロナ初年となったマカオの昨年(2023年)通期のカジノ売上(粗収益、Gross Gam…

ピックアップ記事

  1.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  3.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  5.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…

注目記事

  1.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  2.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  3.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  4.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  5.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun