エボラ出血熱流入阻止へ水際対策導入ーマカオ衛生局

マカオ政府衛生局は7月31日、西アフリカでエボラ出血熱が流行していることを受け、同日午後9時からギニア、リベリア、シエラレオネの三国のパスポートを使ってマカオへ入境する旅客について、健康調査及びマカオ滞在中の追跡を行う措置を実施したと発表した。

具体的には出入境施設で衛生担当者による尋問及び検査を行い、エボラ出血熱感染者特有の症状が見受けられる、または感染者との接触があった場合、すぐに防護服を着用させ、仁伯爵綜合醫院(通称、山頂医院)の救急センターに搬送し、専門的な検査を実施する。検査の結果、感染の可能性が高いと判断された旅客については、隔離病棟にて経過観察と治療を行う。また、陰性と判断された旅客、感染者と接触歴のある旅客については、衛生担当者が毎日電話で健康状態の追跡調査を行い、疑わしい症状が出た場合にはすぐに隔離、観察措置をとるという。

現在、山頂医院の5階を病床数25の隔離フロアとし、エリア全体を陰圧密閉している。患者の治療及び観察に必要な医療器具等もすべて揃っており、必要に応じて短時間内に19床分の隔離エリアを追加することもできるという。

衛生局が水際対策をスタートして約1日後の8月1日午後6時53分に発表した最新情報によると、8月1日午後5時までにギニア、リベリア、シエラレオネのパスポートを持つ3名の男性がマカオ半島北部の關閘イミグレーションからマカオへ入境したという。3名ともにエボラ出血熱の症状は見られず、また、広州、深圳などを経由してマカオへ到着しており、エボラ出血熱の最長潜伏期間とされる21日以上前にアフリカを出発したことも確認されたことから、追跡措置を実施する必要がないと判断したとのこと。

西アフリカにはギニアビサウやカーボベルデといったポルトガル語圏諸国も含まれることから、中国のポルトガル語圏との窓口としての役割を担うマカオとも比較的結びつきが強い地域といえる。

仁伯爵綜合醫院(資料)―本紙撮影

仁伯爵綜合醫院(資料)―本紙撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ政府統計・センサス局(DSEC)は4月26日、今年第一四半期(2024年1〜3月期)の雇用…
  2.  マカオの公共路線バスで4月25日午前0時から中国本土版のアリペイ、香港版のアリペイ、マカオ以外の…
  3.  近日、マカオを含む中国華南の珠江デルタ地域では大雨が続いている。  マカオ政府海事・水務局…
  4.  マカオ貿易投資促進局(IPIM)は4月24日、マカオにおけるMICE誘致状況のアップデートを明ら…
  5.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…

ピックアップ記事

  1.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  2.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  3.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  4.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  5.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…

注目記事

  1.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  2.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  3.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  4.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  5.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun