マカオ、刃物持った窃盗容疑者に警官が発砲…中国本土出身の密航者か

マカオ司法警察局の発表によれば、マカオ半島北部の關閘エリアにある飲食店で2月3日未明に窃盗事件が発生。被害者が友人らと共に後を追い、一旦は追いついたものの、もみ合いになった際に果物ナイフのようなもので攻撃され、負傷。容疑者は隙を突き、盗んだバッグを持って逃走したという。

被害者から通報を受けた治安警察局から司法警察局に捜査が引き継がれ、司法警察局所属の警察官が容疑者の行方を捜索していたところ、同日午前5時すぎに最初の現場の南側に位置する住宅街、祐漢エリアの路上で容疑者を発見し、追跡。容疑者は近くのアパートに逃げ込み、階段の踊り場で警察官と対峙するかたちになったという。

この際、警察官が容疑者に身柄の確保に応じるよう説得するも全く応じる気配を見せず、所持していた刃物を警察官に向けて強烈な反抗の意思を示したとのこと。警察官の制止を複数回にわたって無視し、警察官が生命の危険を感じたことから、身柄確保のため発砲するに至ったとした。弾は容疑者の大腿部に命中したという。

容疑者は中国本土出身の男(31)で、密航者の可能性があることも判明。なお、容疑者は身柄を確保された後、治療のため病院に搬送されたが、命に別状はなく、意識もはっきりしているとのこと。また、バッグを奪われた被害者の友人がナイフで切られ軽傷、容疑者と対峙した警察官の一部も軽傷を負ったが、いずれも程度は軽いという。

マカオで警察官による発砲はたいへん稀なケースだが、今年に入って以降、今回が2度目となる。前回は、1月初旬にコタイ地区のカジノ施設門外で違法喫煙行為を注意された中国本土出身の男らが治安警察局所属の警察官を襲撃した際の威嚇発砲。

容疑者の身柄が拘束されたアパート前での現場検証の様子=2019年2月3日(写真:マカオ司法警察局)

容疑者の身柄が拘束されたアパート前での現場検証の様子=2019年2月3日(写真:マカオ司法警察局)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  近日、マカオを含む中国華南の珠江デルタ地域では大雨が続いている。  マカオ政府海事・水務局…
  2.  マカオ貿易投資促進局(IPIM)は4月24日、マカオにおけるMICE誘致状況のアップデートを明ら…
  3.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…
  4.  アフターコロナ初年となったマカオの昨年(2023年)通期のカジノ売上(粗収益、Gross Gam…
  5.  マカオ・コタイ地区にある統合型リゾート(IR)ギャラクシーマカオのイーストスクエアで4月24日、…

ピックアップ記事

  1.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  2.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  3.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  5.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…

注目記事

  1.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  2.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  3.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  4.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  5.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun