マカオ、19年12月のホテル客室稼働率92.0%…対前年2.7ポイント下落=通期でも9割超を維持

 マカオは人口約67万人、面積約32平方キロという小さな街だが、世界遺産やカジノを核とした大型IR(統合型リゾート)に加え、マカオグランプリをはじめとした国際イベントが数多く開催されるアジア有数の観光都市として知られる。

 マカオ政府統計調査局発表資料によれば昨年(2019年)通期の訪マカオ外客数(インバウンド旅客数)は前年から10.1%増の延べ(以下同)3940万6181人で、3000万人の大台を6年連続突破するとともに、3年連続で最多記録を更新。昨年12月のインバウンド旅客数は前年同月から13.6%減の308万3406人。このうち宿泊を伴う旅客は15.3%減の147万5642人で、同月のインバウンド旅客全体に占める割合は47.9%だった。

 かつて、訪マカオ旅客の大半が日帰りだったが、昨今では宿泊を伴う旅客が増加傾向にあり、過半数を上回る月も出現している。ただし、春節(旧正月)など大型連休のある月については、日帰り旅客が増大する傾向にあるほか、2018年10月24日の港珠澳大橋の開通で「橋を渡ることが目当て」の旅客が増えたことで、同年10月以降は15ヶ月連続で日帰り旅客が過半数を上回った。

 マカオ政府統計調査局は2月3日、昨年12月のホテル宿泊客関連統計を公表。昨年12月の平均ホテル客室稼働率(簡易宿泊施設に相当するペンサオンを含む、以下同)は前年同月から2.7ポイント下落の92.0%だった。

 ホテル等級別では、5つ星が前年同月から2.3ポイント下落の93.3%、4つ星が3.0ポイント下落の91.2%、3つ星が3.2ポイント下落の94.0%。なお、5つ星ホテルの供給客室数が0.3%増、4つ星ホテルが12.3%減、3つ星ホテルが横ばいだった点も考慮する必要がある。

 昨年12月末現在、マカオで営業中のホテル数は前年同時期から7軒増の123軒、供給客室数は一部ホテルが改装に入ったことを受け同1.4%減の3.83万室あり、このうち5つ星ホテルが1軒増の36軒で、供給客室数は全体の64.2%を占める2.46万室。

 昨年12月のマカオのホテル宿泊客数は前年同月から2.2%減の122.1万人。主な内訳は中国本土旅客が4.9%減の82.1万人、香港旅客が20.4%増の16.3万人、韓国旅客が12.5%増の4.7万人、台湾旅客が3.8%減の3.7万人、日本旅客が16.8%減の1.5万人だった。ホテル宿泊客の平均滞在時間は0.1日延びて1.5日に。

大型カジノIR(統合型リゾート)が建ち並ぶマカオ・コタイ地区の風景(資料)=2018年2月ー本紙撮影

大型カジノIR(統合型リゾート)が建ち並ぶマカオ・コタイ地区の風景(資料)=2018年2月ー本紙撮影

 昨年通期(1〜12月累計)のホテル宿泊客数は前年から1.1%増の1410.4万人、平均客室稼働率は0.3ポイント下落の90.8%、ホテル宿泊客の平均滞在時間もは横ばいの1.5日。宿泊を伴う旅客全体に占めるホテル宿泊者の割合は0.1ポイント上昇の72.4%。昨年、稼働率が90%の大台を割り込んだのは6月、9月、10月のみだった。

 マカオではホテル建設ラッシュが続いており、近い将来、供給数はおよそ5万室に達する見込み。

 なお、新型コロナウイルスによる肺炎(通称:武漢原因不明肺炎)流行の影響に伴い、今年に入って以降、特に1月下旬の春節ゴールデンウィーク直前頃からインバウンド旅客数が激減し、ホテル客室稼働率も大幅下落が続いている状況。

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