マカオ特別行政区の2020年末財政準備資産約8兆円…歳出の約6年分=投資利益が過去最高の約4123億円、利益率5.3%

 マカオ金融管理局は2月24日、昨年(2020年)のマカオ特別行政区の財政準備運用状況を公表。

 昨年のマカオ特別行政区の財政準備の投資リターンは310.6億マカオパタカ(日本円換算:約4123億円)、投資利益率は5.3%で、リターンは2012年の財政準備設立以来最高だったとのこと。過去5年間の平均投資利益率は3.1%で、同期間の平均年度インフレ率は2.0%。

 昨年、マカオ特別行政区政府はコロナ禍による税収減を理由に初めて財政準備からの拠出による赤字補填を行った。その金額は466.0億マカオパタカ(約6186億円)。一方、2018年の財政黒字の中から522.6億マカオパタカ(約6937億円)が新たに積み立てられている。これらを踏まえた昨年12月末時点のマカオ特別行政区の財政準備資産は前年同時期から6.3%増の6161.2億マカオパタカ(約8兆1784億円)に。内訳は、基本準備が1466.0億マカオパタカ(約1兆9460億円)、超額準備が4695.2億マカオパタカ(約6兆2324億円)。財政準備資産は同年の歳出(予算)の実に約6年分に相当する。

 同局によれば、昨年は新型コロナウイルス感染症の世界的流行を受け、全世界規模で金融市場が不安定化する中、配置見直しやリスクヘッジ、さらには潜在的成長市場へ投資を振り向けることで、元本の保全とバリューアップの実現に成功したとのこと。2021年の見通しについては、リスク資産価格は高位にあり、新型コロナの流行も終息していない中、世界経済の回復は依然として見通せない上、貨幣市場も低金利あるいはマイナス金利という状況で、極めて大きなチャレンジに直面しているとした。同局では、引き続き「安全、効率的、堅牢」を基本原則として、外部の国際投資コンサルティング会社による専門的な調査、判断と組み合わせ、準備資産のポートフォリオバランスの調整を最適化することで、リターンの最大化を図り、財政的リスクを防ぐとしている。

マカオ金融管理局ビル(資料)=2020年7月本紙撮影

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