マカオの全市民対象PCR検査、検査率55%に…結果判明済みの11.5万人は全員陰性

 マカオでは約490日にわたって新型コロナ市中感染確認ゼロを維持してきたが、8月3日に域内で一家4人のデルタ株感染確認例があった。7月下旬から中国本土で拡大が続く南京空港クラスターに端を発した再流行が波及した輸入関連性症例とみられる。

 今回のケースは、一家4人が潜伏期間中及び発症後の数日にわたって市中にいたことから市中における伝播があった可能性も否定できない状況。

 マカオ政府は4日午前9時から7日午前9時までの72時間以内に全市民を対象としたPCR検査を展開。体育館や学校、さらにはIR(統合型リゾート施設)など42ヶ所に検査会場を設け、すべて24時間体制での運営。検査方法は鼻咽頭ぬぐい式となっている。

 マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターが8月5日夕方の記者会見で発表した内容によれば、同日午後4時までに検査対象総数の55%に相当する37.6万人分の検体を採取し、結果が判明した11.5万人分については全数が陰性だったとのこと。

 マカオの人口密度は2万人超で、世界で最も過密な地域のひとつに数えられ、市中感染例が出現した場合のリスクが極めて高いことから、政府が全市民PCR検査のほか、局地ロックダウンなどの対応策を周到に準備してきた経緯がある。

 全市民PCR検査が実際に行われるのは今回が初めて。初日は一部の検査場で数時間待ちとなる混雑も発生したが、政府が状況に応じたマンパワーの増強を図るなどの改善を図っており、5日時点のPCR検査の検体採取能力は1時間あたり約1.5万人に上っている。

全市民に対するPCR検査を展開するため一夜にしてマカオ各所に設営された検査場のイメージ(写真:GCS)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ政府統計・センサス局(DSEC)は4月26日、今年第一四半期(2024年1〜3月期)の雇用…
  2.  マカオの公共路線バスで4月25日午前0時から中国本土版のアリペイ、香港版のアリペイ、マカオ以外の…
  3.  近日、マカオを含む中国華南の珠江デルタ地域では大雨が続いている。  マカオ政府海事・水務局…
  4.  マカオ貿易投資促進局(IPIM)は4月24日、マカオにおけるMICE誘致状況のアップデートを明ら…
  5.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…

ピックアップ記事

  1.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  2.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  3.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  4.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  5.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…

注目記事

  1.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  2.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  3.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  4.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  5.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun