「横琴」が広東省とマカオの共同開発区に

 このほど、中国共産党中央委員会と国務院が「横琴粤澳門深度合作区建設総体方案」を発表した。

 横琴(マカオ南部と水路を挟んで隣接する広東省珠海市に属する島)を粤(広東省)と澳(マカオ特別行政区)の共同開発区とする計画の概要を示したもの。マカオの産業多角化を実現する条件を整えることでマカオの長期的な繁栄と安定を促進し、国全体の発展に統合することを目的として掲げている。共同開発区となる横琴の面積はマカオの約3倍にあたる106平方キロメートル。

 本案では、共同開発区内でマカオ経済の適度な多元化に寄与するIT関連や漢方薬などの技術研究開発・高付加価値製造業、文化、観光、MICE、貿易産業、現代金融産業の誘致、育成を図る方針を示している。また、企業所得税優遇政策、内外からの優秀な人材の吸引、革新的なクロスボーダー金融管理、区内の金融市場とマカオ・香港のオフショア金融市場との連携強化、電子ボーダーフェンスシステムの構築を模索することなどを通じ、区内の金融市場の高度な自由化を推進するとのこと。

 また、マカオLRT(新交通システム)の区内への延伸乗り入れを実現し、(すでに横琴まで開通済みの)中国本土の鉄道ネットワークとの連携、珠海空港及び珠海港との機能的連携を図るなど、インフラ施設の相互接続・相互運用の促進も強化するとしている。

 なお、マカオと横琴の間にある既存のボーダーは「第一線」として機能が維持され、横琴とその際の中国本土の間に新たに「第二線」が設けられる。第二線については人の往来は制限せず、貨物の管理を対象としたものになる模様。

マカオ(手前)から横琴の高層ビル群を望む(資料)-2020年7月本紙撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ政府統計・センサス局(DSEC)は4月26日、今年第一四半期(2024年1〜3月期)の雇用…
  2.  マカオの公共路線バスで4月25日午前0時から中国本土版のアリペイ、香港版のアリペイ、マカオ以外の…
  3.  近日、マカオを含む中国華南の珠江デルタ地域では大雨が続いている。  マカオ政府海事・水務局…
  4.  マカオ貿易投資促進局(IPIM)は4月24日、マカオにおけるMICE誘致状況のアップデートを明ら…
  5.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…

ピックアップ記事

  1.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  2.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  3.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  4.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  5.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…

注目記事

  1.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  2.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  3.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  4.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  5.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun