マカオ政府と6事業者が次期カジノ経営権契約締結…期間は10年、約2兆円の新規投資コミット

 マカオ政府は12月16日に次期カジノ経営コンセッション(ライセンス)の最終発給先リストを発表。同日午後、政府本部で発給が決まった6事業者との契約締結式が執り行われた。

 次期カジノライセンスの契約期間は、6事業者ともに来年(2023年)1月1日から10年間となる。発給先はいずれも現行ライセンス事業者で、入札における総合評価点順で下記の通り。

1. MGM Grand Paradise Limited
2. Galaxy Casino Company Limited
3. Venetian Macau Limited(サンズグループ)
4. Melco Resorts (Macau) Limited
5. Wynn Resorts (Macau) Limited
6. SJM Resorts, Limited

 マカオ政府の発表によれば、6事業者は入札書において、ローカルスタッフの雇用の安定、ローカルスタッフの昇進機会の創出に関して明確にコミットしたとのこと。

 また、契約期間内に6事業者合わせて1188億パタカ(日本円換算:約2兆0254億円)の新規投資についてもコミットしたという。内訳は海外旅客ソースの開拓とノンゲーミング(非カジノ)分野への充当分が1087億パタカ(約1兆8532億円)、ゲーミング(カジノ)分野が101パタカ(約1722億円)。各事業者の投資計画については、17日に開催予定の6事業者による合同会見で明らかにされる見通し。

 マカオ政府はマカオを世界的レジャー・ツーリズム・センターへと変貌させ、経済の適度なダイバーシティ化(カジノ依存からの脱却)促進を目標として掲げており、次期カジノライセンスの入札にあたって、これに絡む要件が重点評価項目として盛り込まれた。

 次期カジノライセンスの契約式後、賀一誠(ホー・ヤッシン)マカオ行政長官は6事業者の代表らと会談を行い、入札書でコミットした内容を遵守するよう求めた。

賀一誠マカオ行政長官と次期カジノライセンス事業者の代表らによる会談の様子=2022年12月16日(写真:GCS)

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