マカオ政府、カジノ経営権の再入札も視野…現行コンセッション満期近づく

世界一のカジノ売上を誇る都市として知られるマカオ。現在、コンセッション(カジノ経営権契約)を結ぶ6陣営がおよそ40のカジノ施設を運営している。

現行のコンセッションについて、2陣営が2020年3月31日、4陣営が2022年6月26日に満期を迎える予定で、6陣営のコンセッションの延長や新規枠の有無などを含む政府方針の動向に注目が集まっている。

マカオ政府経済財政庁のライオネル・リョン(梁維特)長官は7月10日午後にマカオ立法会ビルで囲み取材に応じた際、カジノ経営権契約の満期が近づく中、再入札を実施することも視野に入れていることを明らかにした。

その理由として、昨今、アジアにおける地域間競争が激化しており、現行コンセッション締結時期(2002〜2006年)とは事情が大きく変わったことを挙げ、新しい発想や新しい調整を以ってマカオのカジノ産業の健康的で秩序ある発展に導きたい意向があるとした。

なお、競馬やドッグレースといったカジノ以外のギャンブルについては、近年、満期を迎えても再入札は行われず、既存契約をベースにした延長が続いている。

【資料】マカオのカジノ運営6陣営(締結順)とコンセッション満期日
1. SJM(澳門博彩):2020年3月31日
2. ウィンマカオ(永利澳門):2022年6月26日
3. ギャラクシー(銀河娯楽):2022年6月26日
4. サンズチャイナ(金沙中国)*:2022年6月26日
5. MGMチャイナ(美高梅中国)*:2020年3月31日
6. メルコリゾート(新濠博亜娯楽)*:2022年6月26日
※印はサブコンセッション。サンズチャイナはギャラクシー、MGMチャイナはSJM、メルコリゾートはウィンマカオにそれぞれ紐付く。

囲み取材に応じるマカオ政府経済財政庁のライオネル・リョン長官=2017年7月10日、マカオ立法会ビル(写真:GCS)

囲み取材に応じるマカオ政府経済財政庁のライオネル・リョン長官=2017年7月10日、マカオ立法会ビル(写真:GCS)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ政府統計・センサス局(DSEC)は4月26日、今年第一四半期(2024年1〜3月期)の雇用…
  2.  マカオの公共路線バスで4月25日午前0時から中国本土版のアリペイ、香港版のアリペイ、マカオ以外の…
  3.  近日、マカオを含む中国華南の珠江デルタ地域では大雨が続いている。  マカオ政府海事・水務局…
  4.  マカオ貿易投資促進局(IPIM)は4月24日、マカオにおけるMICE誘致状況のアップデートを明ら…
  5.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…

ピックアップ記事

  1.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  2.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  3.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  4.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  5.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…

注目記事

  1.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  2.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  3.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  4.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  5.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun