マカオ、悪質タクシー暗躍…ぼったくりと乗車拒否が1500件超=2016年上半期

近年、マカオでは一部の悪質なタクシードライバーによるぼったくりや乗車拒否が大きな社会問題となっている。消費者利益及び観光都市としてのイメージを著しく毀損する行為として警察と交通当局がパトロールを強化して臨んでいるものの、依然暗躍が続いている状況だ。

マカオ治安警察局は7月1日、今年上半期(2016年1〜6月)の違反タクシー及び白タクに関する取り締まり状況を公表した。

違反タクシーの検挙総数は2112件で、このうちぼったくりが729件、乗車拒否が773件で全体の71.1%を占めた。なお、検挙総数は昨年の同じ時期から30.5%減だったが、ぼったくりについては前年とほぼ同数、乗車拒否は15.9%減にすぎなかった。

このほか、上半期の白タクの検挙総数は55.9%増の290件で、このうちスマートフォン向けアプリを使った配車サービスに関するものが170件あったという。なお、世界各地でスマートフォン向け配車サービスを展開する「Uber(ウーバー)」が昨年10月にマカオ進出を果たしたが、警察及び交通事務局は同サービスについて白タクにあたるとの見解を示し、取り締まりの対象とする方針を打ち出している。

マカオは面積約30平方キロメートルの小さな街だが、人口約64万人、年間訪マカオ外客数は約3000万人であるのに対し、タクシー総数はおよそ1080台にとどまっており、需要に追いついていないとの見方もある。また、現行法では違反タクシーに対する罰則が極めて甘いと指摘されており、罰則強化を盛り込んだ法改正の準備も進められている。

マカオ治安警察局による違反タクシーに対する取り締まりの様子(資料)=2015年2月(写真:GCS)

マカオ治安警察局による違反タクシーに対する取り締まりの様子(資料)=2015年2月(写真:GCS)

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