マカオカジノ大手GEGが同業の米ウィンリゾーツ株4.9%取得…新規発行530万株を約971億円で

3月22日、マカオのカジノ経営ライセンスを保有する6社のうち、香港系のギャラクシーエンターテイメントグループ(GEG)と米国系のウィンマカオの2社の間で大きな動きがあった。

GEGとウィンマカオの親会社にあたる米ウィンリゾーツは同日相次いでプレスリリースを発出。ウィンリゾーツが新規発行する530万株をGEGが9.275億米ドル(日本円換算:約971億円)で取得することが明らかとなった。これによって、GEGはウィンリゾーツ株の4.9%を持つ大株主となるほか、ウィンリゾーツを通じて同マカオ子会社ウィンマカオ株の3.5%を間接的に持つことになる。

GEGのフランシス・ルイ副会長はプレスリリースの中で、世界的に高い知名度を持つエンターテイメント企業であり、かつ極めてクオリティの高い資産と巨大な潜在成長力を有するグループへの貴重な投資機会とコメント。また、ウィンリゾーツのマット・マドックスCEOは、両社は革新的な営業理念と価値を共有できる存在であり、マカオ市場においてシナジー効果を創造でき、長期的なマカオの発展期貢献できるとし、GEGが株主となることへ歓迎と大きな期待を示した。

なお、マカオには政府とコンセッション(カジノ経営権契約)を結ぶ事業者及びその子会社(出資比率5%以上)がマカオの別のカジノ経営権契約を持つ事業者の株の5%以上を直接的、間接的に保有してはならないという法律が存在する。マカオのギャンブル監理当局にあたるDICJは両社の発表を受けてプレス発表を行い、事前にウィンマカオから株主の変動に関する意向について連絡を受けており、現時点で把握している資料では関連する法律違反はなく、マカオのカジノ業の正常運営にも影響はないとの見方を示した。

ウィンマカオ社の旗艦IR施設「ウィンパレス」正面外観(資料)=マカオ・コタイ地区-本紙撮影

ウィンマカオ社の旗艦IR施設「ウィンパレス」正面外観(資料)=マカオ・コタイ地区-本紙撮影


GEGの旗艦IR施設「ギャラクシーマカオ」の俯瞰(資料)=マカオ・コタイ地区-本紙撮影

GEGの旗艦IR施設「ギャラクシーマカオ」の俯瞰(資料)=マカオ・コタイ地区-本紙撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  アジア有数の観光デスティネーションのマカオでは、年間最大の書き入れ時のひとつとなる五・一(労働節…
  2.  澳門海關(マカオ税関)は5月3日、前夜マカオ半島北部・台山エリアにある工業ビル、新城巿工業大廈内…
  3.  世界保健機関(WHO)は毎年5月5日を「世界手指衛生の日」と、グローバルな啓発活動を展開。マカオ…
  4.  アジア有数の観光デスティネーションのマカオでは、年間最大の書き入れ時のひとつとなる五・一(労働節…
  5.  マカオ政府地球物理気象局(SMG)は5月3日、今年(2024年)4月の天気レビューを発表。 …

ピックアップ記事

  1.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  2.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  3.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  4.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  5.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…

注目記事

  1.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  2.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  3.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  4.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  5.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun