マカオでツツガムシ病感染例みつかる=患者は15歳の女子学生、無事回復

マカオ政府衛生局(SSM)は9月18日、マカオで感染症のツツガムシ(恙虫)病の感染例が1件報告されたことを明らかにした。

患者はマカオの学校に通う女性(15)で、9月2日に首の痛み、発熱、強い頭痛などの症状が出たため、複数回にわたって医療機関を受診。その後、11日になって全身に発疹が現れたほか、臀部に豆粒大のかさぶたのようなものが見つかったため、私立総合病院の鏡湖醫院を受診。サンプル検査の結果、ツツガムシリッチケアの陽性反応が確認されたとのこと。患者は治療を受けたのち、すでに回復しているとのこと。患者の家族及び友人に類似の症状は出ていないという。

ツツガムシ病は日本で第4類感染症に指定されており、ツツガムシリケッチアと呼ばれる病原体の感染によって引き起こされる、人獣共通感染症のひとつ。野ネズミなどの哺乳類に寄生するダニの一種、ツツガムシのうちの一部が媒介者となる。ツツガムシが生息する野山や河川敷で罹患することが多い。ツツガムシ病の初期症状はインフルエンザににており、食欲減退、頭痛、悪寒、高熱などがみられ、4、5日目には発疹が現れる。放置すると肝臓や腎臓の機能にも影響が及ぶといわれる。

なお、SSMの調査に対し、患者は自宅で犬を2頭、ハムスターを1匹買っており、普段からマカオ半島北部にある黒沙環公園へ犬の散歩に出掛け、公園内で他の犬や猫との接触もあったが、潜伏期間内に野外や草地で活動したことはないと話しているとのこと。SSMでは、患者が潜伏期間内にマカオ外へ出かけていないことから、輸入性の感染事案との判断を下した。

マカオで輸入性ではないツツガムシ病の感染例が見つかるのは極めて稀なケース。衛生局では、トレッキングの際にむやみに草むらに入らない、肌の露出が少ない服装を心がける、ダニに効く虫除けスプレーなどを使用するなどの防御策を徹底するよう愛好家らに呼びかけた。

マカオの大型総合病院として知られる鏡湖醫院(資料)-本紙撮影

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