マカオ、カジノ仲介業大手「タクチュン」トップら逮捕…「サンシティ」事案と関連

 マカオ司法警察局は1月30日午前に特別記者会見を開き、組織犯罪、不法オンラインカジノ経営、マネーロンダリングの容疑でマカオ居民の男2人を逮捕、送検したと発表。

 同局は、昨年(2021)年11月下旬にも同様の容疑でマカオのカジノ仲介業(ジャンケットプロモーター)大手「サンシティグループ(太陽城集団)」のトップ、アルビン・チャウ氏ら11人を逮捕、送検している。同局によれば、サンシティ事案の捜査を進める中で、別の犯罪組織の関与を裏付ける証拠が見つかったことを受けて、今回新たに2人を逮捕するに至ったとのこと。2人は捜査協力拒否の姿勢を示しているという。

 逮捕者2人の身元については、49歳の陳姓と34歳の蔡姓で、いずれも男性の商人とだけ発表。28日にマカオ半島新口岸地区にあるホテル内で2人の身柄を確保したほか、コタイ地区及びマカオ半島皇朝地区にある関係先を捜索し、パソコン、サーバー、約410万香港ドル(日本円換算:約6060万円)の現金等を含む大量の物証を押収したことを明らかにしたが、捜査中のため、その他詳細の公表は差し控えるとした。ただし、現地の複数のメディアは、このうち1人がマカオのカジノ仲介業大手「タクチュングループ(徳晋集団)」のトップ、レボ・チャン(陳榮煉)氏と報じている。同氏はマカオフィッシャーマンズワーフ運営会社にあたるマカオレジェンドディベロップメント社の共同会長兼エグゼクティブダイレクター、CEOも務める。

 なお、マカオにあるサンシティのVIPルームは昨年11月末までにすべてクローズしたほか、複数のマカオのカジノ運営会社がカジノ仲介業者との協力関係を見直したことを受け、タクチュンのVIPルームも一部閉鎖となっている。マカオのカジノ仲介業はライセンス制で、毎年1月1日付で更新される。このほど公表された2022年最新登録事業者リストを参照すると、サンシティの名は見当たらないが、タクチュンは含まれている。

マカオ司法警察局(資料)—本紙撮影

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