中国本土、新型コロナ新規市中感染確認は21省市区で1860人…吉林省が主、広東省では2市がロックダウン中=3/15

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降も全国的には安定した状況を維持しているが、散発的な市中感染確認例が度々出現している状況。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が3月16日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月15日の中国本土における新規市中感染確認は1860人(前日から1647人減)だったとのこと。内訳は、吉林省1456人(長春市1044人、吉林市393人、四平市11人、延辺朝鮮族自治州7人、白城市1人)、山東省75人(青島市35人、浜州市14人、シ博市8人、徳州市8人、威海市7人、臨沂市2人、煙台市1人)、広東省59人(深セン市55人、韶関市1人、珠海市1人、東莞市1人、中山市1人)、天津市51人(武清区28人、西青区11人、浜海新区6人、南開区2人、宝テイ区2人、河北区1人、紅橋区1人)、河北省38人(廊坊市32人、滄州市5人、邯鄲市1人)、遼寧省32人(大連市13人、営口市11人、瀋陽市8人)、陝西省28人(宝鶏市13人、西安市8人、漢中市5人、銅川市1人、咸陽市1人)、浙江省23人(衢州市15人、嘉興市7人、寧波市1人)、福建省23人(泉州市21人、アモイ市2人)、黒竜江省15人(ハルビン市)、江蘇省13人(常州市5人、連雲港市5人、南京市1人、鎮江市1人、宿遷市1人)、重慶市11人(沙坪ハ区9人、渝北区1人、永川区1人)、北京市9人(朝陽区5人、東城区4人)、雲南省6人(徳宏タイ族チンポー族自治州4人、紅河ハニ族イ族自治州2人)、上海市5人(浦東新区2人、徐匯区1人、閔行区1人、奉賢区1人)、広西チワン族自治区5人(鉄州市4人、南寧市1人)、甘粛省5人(蘭州市4人、蘭州新区1人)、安徽省2人(馬鞍山市1人、銅陵市1人)、貴州省2人(遵義市)、湖北省1人(十堰市)、湖南省1人(長沙市)。このうち吉林省と山東省の各21人、天津市の4人、福建省と重慶市の各2人、江蘇省、広東省、甘粛省の各1人の計53人が無症状から感染確認に転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは151日連続。4桁となるのは4日連続。

 市中の無症状感染例についても32日連続で出現し、吉林省397人(吉林市376人、四平市16人、長春市3人、松原市1人、延辺朝鮮族自治州1人)、河北省239人(廊坊市225人、滄州市14人)、上海市197人(浦東新区40人、閔行区30人、徐匯区23人、嘉定区21人、黄浦区12人、宝山区11人、静安区10人、松江区10人、普陀区9人、金山区8人、青浦区7人、虹口区6人、長寧区4人、奉賢区4人、楊浦区2人)、山東省105人(浜州市33人、青島市25人、威海市21人、シ博市18人、イ坊市7人、煙台市1人)、江蘇省60人(南京市26人、蘇州市12人、連雲港市12人、常州市6人、無錫市2人、揚州市1人、鎮江市1人)、広東省54人(深セン市37人、東莞市16人、広州市1人)、雲南省32人(徳宏タイ族チンポー族自治州27人、紅河ハニ族イ族自治州4人、臨滄市1人)、広西チワン族自治区20人(崇左市10人、欽州市6人、北海市2人、防城港市1人、百色市1人)、天津市17人(西青区6人、武清区6人、浜海新区4人、紅橋区1人)、甘粛省16人(蘭州新区9人、蘭州市6人、白銀市1人)、福建省15人(泉州市)、遼寧省12人(大連市6人、瀋陽市5人、阜新市1人)、黒竜江省11人(ハルビン市)、浙江省6人(杭州市2人、衢州市2人、温州市1人、湖州市1人)、安徽省5人(馬鞍山市3人、宿州市1人)、江西省3人(南昌市1人、宜春市1人、撫州市1人)、重慶市3人(永川区2人、沙坪ハ区1人)、北京市1人(順義区)、内モンゴル自治区1人(通遼市)の計1194人。

 香港・マカオと陸で接する広東省では、今年に入って以降、珠江西岸(マカオ寄り)の珠海市と中山市、2月6日以降に珠江東岸(香港寄り)の深セン市と東莞市をそれぞれ中心として断続的に市中感染確認例が出現している状況で、3月15日まで32日連続。深セン市における伝播はオミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)、東莞市ではオミクロン株が主とされている。深セン市と東莞市では、3月14日から7日間の予定でロックダウン及び全市民対象のPCR検査(期間中複数回受検)が行われており、公共交通機関の運休や必需品関連以外の商店が休業するなどしている。

 3月15日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は1万3780人(うち輸入性が2591人)で、重症者は11人(うち輸入性1人)。無症状の患者9864人(輸入性1695人)が医学観察下にあるとのこと。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「動態清零(ゼロコロナ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。しかしながら、昨年11月下旬以降、各地で散発的な再流行が断続的に出現。省市区を越えて伝播したものもあれば、一部地域にとどまるものもあり、最初のきっかけとなった感染源もさまざま。

 マカオ特別行政区では3月15日まで156日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。2月以降は感染確認数が急増しており、第5波開始以来、3月15日までの累計は約74.8万人に。近日になってようやくピークを過ぎたとの見方が示されたが、依然として高止まりが続く。目下、香港ではステルスオミクロンの伝播が主となっているとされる。公立病院の隔離病床及び市中の隔離施設が深刻なキャパシティ不足に直面しており、中国中央のサポートを経て仮設施設の建設、医療支援チームの受け入れなどが進むほか、3月にかけて全市民を対象とした強制PCR検査を実施するとアナウンス済み。港珠澳大橋を経由して香港から広東省珠海市とマカオへ向かった人、深センとの間を往来する貨物車の運転手が到着後に陽性が発覚するケースも相次いでいる。

 NHCが3月15日午後の記者会見で明らかにした内容によれば、3月に入って以降、14日までの新型コロナ感染者数は28の省市区で1.5万人超に上ったとのこと。吉林省、山東省、広東省等で依然として再流行の最中にあり、地域によっては増加ペースが比較的早く、市中における伝播拡大や域外への流出リスクも高い中、防疫面で困難な状況にあるが、現行の「動態清零」の方針及びこれに関連する一連の防疫策はオミクロン変異株の流行に対しても有効であることが実践的に証明されているとの見方を示した。目下、広東省の2市のみならず、中国本土各地で全市レベル、地域レベルでのロックダウンが実施されている。

中国広東省深セン市の繁華街「東門歩行街(老街)」(資料)—本紙撮影

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