中国本土の新型コロナ新規市中感染者数が1.6万人超に…大半が上海市、ロックダウン期間延長へ=4/4

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降も全国的には安定した状況を維持しているが、散発的な市中感染確認例が度々出現している状況。最近の再流行は主にオミクロン変異株及びその亜種(いわゆる「ステルスオミクロン」等)が主とされる。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が4月5日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月4日の中国本土における新規市中感染確認は1173人(前日から193人減)だったとのこと。内訳は、吉林省792人(長春市604人、吉林市175人、白城市10人、白山市2人、四平市1人)、上海市268人(浦東新区204人、閔行区12人、黄浦区10人、楊浦区10人、徐匯区7人、松江区6人、普陀区4人、虹口区4人、嘉定区4人、宝山区2人、奉賢区2人、長寧区1人、静安区1人、青浦区1人)、黒竜江省17人(ハルビン市13人、牡丹江4人)、浙江省17人(嘉興市9人、湖州市4人、寧波市3人、温州市1人)、山東省14人(済南市11人、青島市3人)、四川省12人(成都市10人、楽山市2人)、北京市8人(朝陽区6人、豊台区1人、順義区1人)、江蘇省7人(徐州市3人、淮安市1人、塩城市1人、鎮江市1人、宿遷市1人)、福建省7人(泉州市6人、アモイ市1人)、河北省6人(邯鄲市)、山西省4人(太原市1人、晋中市1人、運城市1人、臨汾市1人)、遼寧省3人(鞍山市)、広東省3人(広州市2人、茂名市1人)、天津市2人(西青区)、江西省2人(南昌市)、広西チワン族自治区2人(百色市)、雲南省2人(昭通市1人、紅河ハニ族イ族自治州1人)、青海省2人(西寧市)、内モンゴル自治区1人(通遼市)、安徽省1人(六安市)、海南省1人(ダン州市)、貴州省1人(黔西南プイ族ミャオ族自治州)、新疆ウイグル自治区1人(ウルムチ市)。このうち吉林省の74人、浙江省の6人、四川省の5人、河北省、福建省、山東省の各3人、天津市と江蘇省の各1人の計100人が無症状から感染確認に転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは171日連続。4桁となるのは24日連続。

 市中の無症状感染例についても1万5239人(前日から3468人増)に上った。近日は上海市で増加傾向、吉林省で高止まりが続く。内訳は、上海市1万3086人(浦東新区6788人、閔行区1370人、徐匯区1223人、黄浦区973人、虹口区604人、松江区563人、青浦区319人、宝山区267人、普陀区255人、嘉定区243人、楊浦区215人、奉賢区68人、静安区59人、金山区52人、崇明区49人、長寧区38人)、吉林省1680人(長春市1336人、吉林市339人、白城市4人、白山市1人)、河北省106人(邯鄲市65人、保定市39人、石家庄市1人、滄州市1人)、江蘇省70人(蘇州市27人、宿遷市27人、南通市9人、徐州市5人、鎮江市2人)、遼寧省54人(瀋陽市46人、鞍山市5人、営口市3人)、安徽省48人(淮南市37人、阜陽市8人、蕪湖市2人、宣城市1人)、江西省39人(南昌市31人、上饒市6人、撫州市2人)、河南省31人(周口市22人、永城市8人、鄭州市1人)、浙江省25人(嘉興市17人、杭州市4人、温州市3人、麗水市1人)、山東省17人(臨沂市7人、イ坊市4人、棗荘市3人、済南市1人、威海市1人、カ沢市2人)、湖北省16人(随州市12人、武漢市3人、鄂州市1人)、雲南省14人(徳宏タイ族チンポー族自治州11人、紅河ハニ族イ族自治州2人、曲靖市1人)、黒竜江省10人(ジャムス市5人、牡丹江市3人、ハルビン市1人、黒河市1人)、福建省9人(泉州市7人、福州市1人、寧徳市1人)、四川省9人(成都市4人、楽山市4人、遂寧市1人)、新疆ウイグル自治区8人(ウルムチ市6人、昌吉回族自治州1人、バインゴリンモンゴル自治州4人)、天津市4人(西青区)、甘粛省4人(蘭州市)、山西省2人(太原区)、北京市1人(朝陽区)、内モンゴル自治区1人(通遼市)、湖南省1人(衡陽市)、広東省1人(東莞市)、海南省1人(海口市)、重慶市1人(渝中区)、貴州省1人(安順市)。

 無症状を含む新規感染者が1万人を上回るのは3日連続。

 4月4日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は2万5060人(うち輸入性が591人)で、重症者は63人(輸入性はゼロ)。無症状の患者9万6803人(輸入性1026人)が医学観察下にあるとのこと。

中国・上海(資料)—本紙撮影

中国・上海(資料)—本紙撮影

 香港・マカオと陸で接する広東省では、今年に入って以降、珠江西岸(マカオ寄り)の珠海市と中山市、珠江東岸(香港寄り)の深セン市と東莞市をそれぞれ中心として断続的に市中感染確認例が出現している状況だが、近日の両市の感染確認数は低位を維持している。

 このところ中国本土の多くの省市区で新規感染者の出現が相次いでいるが、特に深刻なのが連日4桁台が続く東北部の吉林省と華東部の上海市。上海市では当初3月28日から4月5日の予定で、黄浦江を境に市の東・南部と西部に分けて、順番に事実上のロックダウンを伴う全市民を対象としたPCR検査が実施するとしていたが、検査状況等を踏まえ、5日以降も全市レベルでロックダウンが継続されることとなった。病院の受診などの例外を除き、厳格な外出禁止措置が講じられる。市内を走る地下鉄については、5日から6号線と16号線が午前7時から午後8時の間に運行するものの、他の路線については運休が続く模様。NHCによれば、目下、全国15省から約3万8000人の医療従事者が上海市に対する支援を行っているという。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロコロナ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。しかしながら、昨年11月下旬以降、各地で散発的な再流行が断続的に出現。省市区を越えて伝播したものもあれば、一部地域にとどまるものもあり、最初のきっかけとなった感染源もさまざま。

 マカオ特別行政区では4月4日まで176日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。2月以降は感染確認数が急増しており、第5波開始以来、4月4日までの累計は約116.1万人(無症状含む)、死亡者数は8049人に。3月初旬にピークを過ぎたとされ、直近10日連続で新規感染確認数が1万人以下となったが、依然として高止まりが続く状況。目下、香港ではステルスオミクロンの伝播が主とされる。

 上述の通り、マカオは安定を維持しているものの、近日は中国本土で出現した感染例の濃厚接触者あるいは二次接触者に認定され、隔離検疫の対象とされるケースや輸入品に付着したウイルスの発見も相次いでおり、流入に備えて防疫措置が引き締めとなっている。

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