マカオの財政準備資産目減り、世界的株安影響=ポートフォリオの11.8%が株式投資

昨今の世界的な株安によって、マカオ特別行政区の財政準備資産にもマイナス影響が及んでいることが明らかになった。

マカオ政府経済財政庁長官事務所が8月25日に発表したプレスリリースによると、マカオの財政準備資産のポートフォリオにおける株式投資部分で損失が発生しているとのこと。この状況について、損失は暫定的なものであり、通年の総資産ではプラスのリターンを確保できるとの見通しを示したものの、年度末(12月末)の株式市況を留意する必要があると付け加えた。

なお、今回のプレスリリースでは、損失の具体的な数字は明らかにされなかった。ポートフォリオに占める株式投資の割合は全体の約11.8%を占める約413億パタカ(日本円換算:約6176億円)で、このうち中国A株と香港株が約3.8%の約135億パタカ(約2019億円)という。

経済財政庁長官事務所では、昨今の株安の影響がマカオの銀行体系の安定性に与える影響は限定的との見方だが、金融市場の変化に伴うマカオ経済全体への影響について特に注視していくとしている。また、必要に応じて金融体系の安定及び正常化のための措置を講じる方針も示した。

マカオ特別行政区の財政準備資産は今年5月末時点で前年末から42%増となる3496億パタカ(約5兆2209億円)に達しており、今年度予算における総歳出の実に約4年分に相当する。

マカオの町並み(資料)=マカオ半島・内港上空から空撮、2015年4月(写真:GCS)

マカオの町並み(資料)=マカオ半島・内港上空から空撮、2015年4月(写真:GCS)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオにとって最大の旅客ソースとなる中国本土で5月1日から5日までが5連休(「五・一」労働節ゴー…
  2.  マカオは人口約68万人、面積約32平方キロという小さな街だが、世界遺産やカジノを核とした大型IR…
  3.  澳門海關(マカオ税関)は4月28日、各イミグレーション施設で検査体制の強化を図り、違法な運搬活動…
  4.  マカオ政府統計・センサス局が4月26日に公表した資料によれば、今年(2024年)3月の総合消費者…
  5.  マカオではアフターコロナで社会・経済の正常化が進んだ昨年(2023年)から歩行者による禁止場所で…

ピックアップ記事

  1.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  3.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  4.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  5.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…

注目記事

  1.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  2.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  3.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  4.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  5.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun