訪マカオ中国本土旅客の消費、2年ぶりに上向く=16年Q3旅客消費総額17.4%増

マカオは人口65万人、面積30平方キロという小さな街だが、世界遺産やカジノを核とした大型IR(統合型リゾート)に加え、マカオグランプリをはじめとした国際イベントが数多く開催されるアジア有数の観光都市として知られる。

昨年(2015年)の訪マカオ外客数は前年から2.5%減となる延べ3071万4628人で、2年連続3000万人の大台を突破。このうち66%を中国本土旅客が占めた。今年第3四半期(2016年7〜9月)の訪マカオ外客数は前年の同じ時期から0.1%増となる810万4498人で、中国本土旅客は同0.5%減、全体に占める割合は67%だった。

マカオ政府統計調査局は11月18日、今年第3四半期の旅客消費調査(ギャンブル消費を除く)を結果を公表。総消費額は前年の同じ時期から17.4%、今年第2四半期から25.1%のそれぞれ増となる146.4億パタカ(日本円換算:約2032億円)だった。旅客総消費が対前年プラスとなったのは2014年第3四半期以来、実に2年ぶりのこと。

今年第3四半期の旅客1人あたり平均消費額は前年の同じ時期から17.3%、今年第2四半期から12.8%のそれぞれ増となる1806パタカ(約2万5071円)で、2014年第2四半期以来のプラスに。国・地域別のトップは中国本土旅客で、前年の同じ時期から18.2%増の2100パタカ(約2万9153円)。中国本土以外の主要市場でも、香港が19.6%増の1092パタカ(約1万5159円)、台湾が16.8%増の1638パタカ(約2万2739円)、日本が8.1%増の1751パタカ(約2万4308円)となるなど、軒並み増加した。

消費の内訳については、ショッピングが43.4%、宿泊が27.3%。旅客1人あたりの平均ショッピング消費額は前年の同じ時期から16.8%増の783パタカ(約1万870円)、中国本土旅客に限ると消費に占める割合は51.1%で、1人あたり平均ショッピング消費額は18.2%増の1072パタカ(約1万4882円)だった。

中国本土旅客といえば、日本での「爆買い」が大きな話題となったが、昨今ではすっかり鳴りを潜めている報道も目立つ。かつてはマカオでも同様の光景が繰り広げられていたが、実は日本での爆買いブームが注目された頃から、すでに減速が始まっていた。7四半期ぶりに再びマカオにおける中国本土旅客による消費がプラスに転じたことは注目に値する。なお、今年第3四半期のマカオのカジノ売上についても、2014年第2四半期以来となるプラスを記録した。

マカオ随一の観光名所、世界遺産・聖ポール天主堂跡(資料)=2016年7月-本紙撮影

マカオ随一の観光名所、世界遺産・聖ポール天主堂跡(資料)=2016年7月-本紙撮影

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