マカオ沿岸の岩場に絶滅危惧種「ピンクイルカ」の死骸が漂着…今年5頭目

 マカオ市政署(IAM)は12月22日、市民からコロアン島南東にある九澳三聖廟付近の沿岸の岩場で1頭のイルカの死骸を発見したとの通報を受け、職員を現場へ派遣し、調査を実施したと発表。

 IAMでは、初歩鑑定結果として中国の第一級保護動物に指定されているピンクイルカ(中華白海豚、日本語名:シナウスシロイルカ)であることが確認されたとした。死骸はメスの成年個体で、体長は2.5メートル。発見時点で既に表皮の大部分が脱落しており、目立った外傷はなかったという。これらの所見から、死亡後に海流に乗って現場に漂着したと見られるとした。すでに腐乱が始まっているため、衛生面を考慮してマカオで火葬する予定とのこと。

 シナウスシロイルカの学名はSousa chinensis、主にインド洋から太平洋沿岸に生息している。中国では、広東省から香港、マカオにかけての珠江口が主な生息地となる。マカオ沿岸でピンクイルカの死骸が発見されるのは今回で5頭目。前回発見されたのは9月上旬のことで、いずれも死亡してから海流に乗って漂着したものだった。 

 昨今、都市化が進んだマカオ半島沿岸でもイルカの泳ぐ様子が確認されている。コロナ禍でマカオ周辺海域を航行する船舶が少なくなっていることとの関連も指摘されている。

 IAMでは、浅瀬に取り残されたイルカを発見した場合、速やかにIAMに通報するよう呼びかけている。

マカオ・コロアン島沿岸の岩場に漂着しているのが発見されたピンクイルカの死骸(写真:IAM)

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