香港の新型コロナ新規感染者数313人…前日から23人増も11日連続500人以下=5/4

 人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が続く。

 2月から3月にかけて、オミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)による伝播が主となり、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど深刻な状況となった。3月下旬以降は緩やかな下落傾向を維持している。

 香港衛生当局が5月4日夕方の記者会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は前日から23人増の313人(輸入性22人含む)とのこと。内訳はPCR検査経由が112人、迅速抗原検査経由が201人。2日連続で上昇となったが、大きなリバウンドには至っておらず、11日連続500人以下を維持した。第5波開始以来の累計感染者数は119万2765人。

 新たに医管局から報告された死亡者数は3人で、第5波開始以来の累計死亡者数は9115人に。死亡率は前日から横ばいの0.76%。

 香港では、流行状況の安定を受けて、イースター連休明けの4月19日から小学校、5月3日からは幼稚園と中学校(日本でいう高校も含む)の対面授業が再開(毎朝登校前に迅速抗原検査を実施し、結果が陰性の場合に限り登校できるルール)となった。また、4月21日からはソーシャルディスタンス措置が一部緩和(バーを除く飲食店の夕食時間帯の営業解禁、同卓制限の緩和、映画館・テーマパーク等の再開、集団制限措置の緩和ほか)となった。5月5日からはプール、ビーチ、水上スポーツセンター等が再開可能となり、屋外で激しい運動をする際や郊外公園ではマスクの着用義務廃止、レストランの1卓あたりの着席人数は8人に(+4人)。さらに、19日からは緩和第2段階が本格実施される予定で、バー、サウナ、クルーズ船の営業が再開可能となり、バーの営業時間は午前2時まで、1卓あたりの着席人数は最大8人まで。レストランの営業時間は午前0時までに延長(現行から+2時間)、宴会人数も120人までに拡大(+20人)。映画館ではキャパシティの85%まで入場可能となり(+35%)、飲食も認められる。

 当局は4日夕方の記者会見で、同日時点で対面授業を再開した学校数は約2200校とし、同日朝の学校関連の迅速抗原検査の陽性報告数は17人で、うち4人が前日も登校していたことを明らかにしたほか、近日の感染確認数は緩やかな下落を維持しているものの、第4波以前との比較では依然として高水準にあり、ダイナミック・ゼロコロナ政策によって可能な限り数字を低く抑えていきたいとの考えを示した。

 5月3日午後8時時点の香港の3歳以上の人口におけるワクチン接種率は91.2%(1回目の接種完了)、84.7%(2回目の接種完了)となっている。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化、防疫措置の一環としてワクチンパス(所定施設入場時にワクチン接種証明の提示を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。ただし、近日は再び頭打ち状態に。3日単日の接種回数(1〜4回目の接種合計)は2万8369回で、7日移動平均は2万7181回。年齢層別の接種率(1回目の接種完了)では、3〜11歳(70.83%)、70〜79歳(79.65%)、80歳以上(64.14%)が大きく平均を下回っており、高齢者に対する訪問接種サービスを展開するなどの接種率向上策が講じられている。

香港のイメージ=香港島・中環にて本紙撮影

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