マカオ、2022年4月のインバウンド旅客数は約60.7万人…対前月15.2%増、対前年23.7%減

 マカオ政府統計調査局は5月20日、今年(2022年)4月の訪マカオ外客数(インバウンド旅客数)統計を公表。

 一旦強化されていた中国本土との間の水際措置が一部緩和されたことを受け、今年4月のインバウンド旅客数は前月から15.2%増となったものの、前年同月からは23.7%減となる60万6841人(延べ、以下同)にとどまった。対前月では4ヶ月ぶりのプラスに。

 内訳は、日帰り旅客が前年同月比23.7%増の42万5903人、宿泊を伴う旅客が59.8%減の18万0938人。日帰り旅客の増加と宿泊を伴う旅客数の減少に伴い、平均滞在時間は前年同月から0.6日短い1.0日となった。内訳は日帰り旅客が横ばいの0.1日、宿泊を伴う旅客が0.7日延びて3.6日。

 今年4月のインバウンド旅客のうち国・地域別で最多だったのは中国本土からの旅客で、前年同月から26.8%減の53万4899人、全体に占める割合は88.1%。このうち個人旅行客が11万8589人。中国本土からの旅客の原居地別では、大湾区(グレーターベイエリア)9市が39万4246人で、マカオと隣接する広東省珠海市が66.2%を占めた。香港と台湾からの旅客はそれぞれ6万5418人、6415人。

 インバウンド旅客の入境ルートは前年同月から陸路が17.7%減の58万3263人で最多。このうち關閘イミグレーション経由が84.0%を占めた。空路は1万8069人、海路は5509人。

 今年1〜4月累計のインバウンド旅客数は前年同時期から2.0%減の248万3688人。内訳は、日帰り旅客が39.4%増の162万2025人、宿泊を伴う旅客が37.1%減の86万1663人。旅客の平均滞在時間は0.5日短い1.2日で、日帰り旅客が横ばいの0.1日、宿泊を伴う旅客が0.4日延びて3.4日。

 マカオと中国本土の間では、一昨年(2020年)第4四半期までに往来制限が緩和され、直近7日以内の新型コロナPCR検査陰性証明の提示など一定の条件を満たせば隔離検疫免除で相互往来が可能となった。ただし、中国本土では再流行が散発的に発生しており、状況に応じて「中リスク地域」指定が行われ、これに該当する地域からマカオへ入境する場合には、隔離検疫を必要とするなどの措置が講じられる。今年に入って以降、オミクロン変異株の流入によって中国本土各地で比較的規模の大きな再流行が出現し、水際措置だけでなく、移動に関する制限が講じらる場合もあることから、マカオのインバウンド旅客数に影響が生じている。

 目下、中国本土を除く国・地域からのマカオ入境は厳しく制限されている状況。香港、台湾居民については、直近の滞在地、渡航歴によって分類され、入境禁止、政府指定のホテルにおける隔離検疫(費用は自己負担、期間は直前の滞在地域などにより異なる)、新型コロナウイルスPCR検査陰性証明書の提示を求めるなどの対応。外国人については原則入境禁止となっていたが、就労ビザを持つ人などを対象に一部緩和された。ただし、要件をクリアした上、当局への申請、承認手続きの必要があり、ハードルは高い。

マカオの著名観光スポットのひとつ、世界遺産・セナド広場の様子(資料)=2020年10月6日本紙撮影

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