マカオ、春節GW6日目までの累計インバウンド旅客数は約38.7万人…事前予測上回るペース維持

 長くゼロコロナ政策を堅持し、厳格な水際措置を講じてきたマカオだが、昨年(2022年)12月から政策転換が進み、今年(2023年)1月8日にウィズコロナへ完全移行するに至った。

 これと同時並行で水際措置の大幅緩和も進んだ。隔離検疫は撤廃され、中国本土、香港、台湾から入境する場合はいかなる新型コロナ検査証明も不要に。海外からについてもPCR検査陰性証明を迅速抗原検査(セルフ検査)陰性結果で代用できるようになっている。

 近日は地理的に近い中国本土及び香港からの旅客を中心に、インバウンド旅客数が急回復している状況。中国本土でも事実上のウィズコロナへの転換が進み、マカオとの相互往来にあたり新型コロナ絡みの手続きが全く必要なくなった。香港ではマカオから入境する場合の水際措置は従前から緩和が進んでおり、マカオの政策転換を受けてマカオ〜香港間の交通機関も相次ぎ再開している。

 マカオでは、年間最大の書き入れ時となる春節(旧正月)シーズンを迎えている。状況が一変して以降で初めての春節となり、インバウンド旅客数がどの程度まで回復するかが注目される。

 マカオ政府旅遊局(MGTO)では、中国本土で年に複数回ある大型連休にあたるゴールデンウィーク(GW)について、治安警察局提供資料を元に前年対比のインバウンド旅客数データを公表している。今年(2023年)の春節GWは大晦日にあたる1月21日から1月27日までの7日間で、比較対象は昨年(2022年)1月31日から2月6日までの同じく7日間。

 MGTOが公表した1月27日更新の最新データによれば、春節GW6日目(1月26日)の総インバウンド旅客数は前年同日から266.3%増の6万9262人(延べ、以下同)だったとのこと。内訳は、中国本土旅客が145.8%増の4万3653人、香港旅客が2315.4%増の2万3768人。全体に占める割合は中国本土旅客が63.0%、香港旅客が34.3%。

 春節GW6日目までの累計では、総インバウンド旅客数が304.9%増の38万7300人で、このうち中国本土旅客が153.3%増の22万5903人、香港旅客が2676.7%増の14万1610人。全体に占める割合は中国本土旅客が58.3%、香港旅客が36.6%。普段、マカオのインバウンド旅客数に占める割合は中国本土が約8割、香港が約1割であることを考慮すると、香港旅客の急伸が今年春節GWのインバウンド旅客数を大きく底上げしている状況。

 また、6日目までの単日平均は297.7%増の6万4550人となっており、MGTOによる事前予想値の4.7万人を大きく上回る状況を維持している。内訳は、中国本土旅客が148.7%増の3万7650人、香港旅客が2612.8%増の2万3601人。

 春節連休後すぐ週末というカレンダーのため、連休終盤の下落ペースも限定的で、7日間トータルで当局予測を上回る見通し。

 マカオで新型コロナの影響が生じたのは2020年春節の直前のこと。参考までに、コロナ前2019年の春節GW7日間の総インバウンド旅客数は121万3487人で過去最多、単日平均は約17.3万人だった。

春節GW中の3日間にわたって歩行者天国となった旧市街地のメインストリート「新馬路」の様子(写真:GCS)

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